クワ葉組織からの不定芽分化: その起源と発達過程

クワ葉組織からの不定芽形成過程を組織学的に調べた。培養初期段階において, 葉底部の中肋及びその周辺組織の副表皮層に小さな分裂組織塊が新生された。この形成により, 上面表皮にドーム状の突出構造が出現した。この突出構造は培養経過に伴い肥大生長し, 葉原基が分化した。培養後期になると, 発達した葉原基の表面から角状細胞と球状頭部を持つ毛茸細胞が分化した。再生したシュートには, カルシウムを蓄積した球状の巨細胞が観察された。これら一連の組織学的特徴から, 不定芽はカルスを経由して形成されるのではなく, 直接的な器官分化によって形成されることが明らかになった。...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Nihon sanshigaku zasshi 2000/10/31, Vol.69(5), pp.319-325
Hauptverfasser: 宮崎, 順司, 杉村, 順夫, 小谷, 英治, 古澤, 壽治
Format: Artikel
Sprache:eng ; jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:クワ葉組織からの不定芽形成過程を組織学的に調べた。培養初期段階において, 葉底部の中肋及びその周辺組織の副表皮層に小さな分裂組織塊が新生された。この形成により, 上面表皮にドーム状の突出構造が出現した。この突出構造は培養経過に伴い肥大生長し, 葉原基が分化した。培養後期になると, 発達した葉原基の表面から角状細胞と球状頭部を持つ毛茸細胞が分化した。再生したシュートには, カルシウムを蓄積した球状の巨細胞が観察された。これら一連の組織学的特徴から, 不定芽はカルスを経由して形成されるのではなく, 直接的な器官分化によって形成されることが明らかになった。
ISSN:0037-2455
1884-796X
DOI:10.11416/kontyushigen1930.69.319