ツクリタケクロバネキノコバエの交尾行動と性フェロモンの存在

ツクリタケ栽培の重要な害虫であるツクリタケクロバネキノコバエの交尾行動に性フェロモンが関与しているか明らかにするため交尾行動を解析した. 1) 雄成虫は,未交尾雌あるいはその粗抽出物,雌の体のすべての部位に対して交尾反応を示したが,n-ヘキサンで洗浄した未交尾雌成虫に対してはまったく反応しなかった.したがって,性フェロモンは雌の全身に存在し,n-ヘキサンで抽出可能であると考えられた. 2) 本種の性フェロモンとして報告されていたn-ヘプタデカンに対してはまったく反応を示さなかった. 3) 雌は羽化後2時間経過するとほぼ100%の雄に交尾行動を引き起こした.一方,雄は羽化後1時間以上経過するとほ...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Nihon Ōyō Dōbutsu Konchū Gakkai shi 1999/11/25, Vol.43(4), pp.181-184
Hauptverfasser: 後藤, 忠男, 中牟田, 潔, 所, 雅彦, 中島, 忠一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:ツクリタケ栽培の重要な害虫であるツクリタケクロバネキノコバエの交尾行動に性フェロモンが関与しているか明らかにするため交尾行動を解析した. 1) 雄成虫は,未交尾雌あるいはその粗抽出物,雌の体のすべての部位に対して交尾反応を示したが,n-ヘキサンで洗浄した未交尾雌成虫に対してはまったく反応しなかった.したがって,性フェロモンは雌の全身に存在し,n-ヘキサンで抽出可能であると考えられた. 2) 本種の性フェロモンとして報告されていたn-ヘプタデカンに対してはまったく反応を示さなかった. 3) 雌は羽化後2時間経過するとほぼ100%の雄に交尾行動を引き起こした.一方,雄は羽化後1時間以上経過するとほぼ100%反応した. 4) 雌は羽化後3日までは100%の雄に反応を引き起こしたが,その後は雄の反応率は低下する傾向が見られた.一方,雄は羽化後9日を経過しても,100%交尾反応を示した. 5) 交尾後の雌に対する雄の反応率は急速に低下した. 6) 性フェロモンの単離・同定,生物検定のためには,雌雄とも羽化後1日目の個体を使うのがよいと考えられた.
ISSN:0021-4914
1347-6068
DOI:10.1303/jjaez.43.181