クエン酸添加によるホウレンソウプロトプラストの分裂促進

ピルビン酸ナトリウム, クエン酸, リンゴ酸, フマル酸, コハク酸, マレイン酸, マロン酸, およびそれらを組み合わせて添加した1/2MS培地(KM8pビタミン, 1.0 mg・liter-1BAおよび1.0 mg・liter-1 2, 4-D)でホウレンソウ葉肉由来プロトプラストを培養した.浸透圧調節剤として0.5Mマンニトールを用いた培地に有機酸を加えるとプロトプラストの分裂が強く阻害された.しかし, 浸透圧調節剤が0.5Mグルコースであると, マロン酸を除いて有機酸はプロトプラストの分裂を促進した.特に, グルコースとクエン酸を組み合わせた培地におけるプロトプラスト分裂率は最も高く,...

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Veröffentlicht in:Engei Gakkai zasshi 1999/07/15, Vol.68(4), pp.762-767
Hauptverfasser: 後藤, 隆子, 宮崎, 正則, 奥, 正和
Format: Artikel
Sprache:eng ; jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:ピルビン酸ナトリウム, クエン酸, リンゴ酸, フマル酸, コハク酸, マレイン酸, マロン酸, およびそれらを組み合わせて添加した1/2MS培地(KM8pビタミン, 1.0 mg・liter-1BAおよび1.0 mg・liter-1 2, 4-D)でホウレンソウ葉肉由来プロトプラストを培養した.浸透圧調節剤として0.5Mマンニトールを用いた培地に有機酸を加えるとプロトプラストの分裂が強く阻害された.しかし, 浸透圧調節剤が0.5Mグルコースであると, マロン酸を除いて有機酸はプロトプラストの分裂を促進した.特に, グルコースとクエン酸を組み合わせた培地におけるプロトプラスト分裂率は最も高く, 多くのマイクロカルスが形成された.また, この培地で培養されたプロトプラスト由来カルスからの再分化率も高かった.プロトプラストの分裂はクエン酸濃度が0.1mMで最も高く, それ以上になると著しく低下した.このようなクエン酸の効果は材料の齢や培養密度が異なっても認められ, 播種後25日までの材料であれば, クエン酸はプロトプラストの分裂を促進し, 高い分裂率を得ることができた.また, 3.0から20×104プロトプラスト・m1-1の培養密度でも, クエン酸添加によって分裂率が高くなり, 低い培養密度でその傾向が顕著に現れた.これらの結果から, 培地ヘクエン酸を添加することによって, プロトプラストの分裂が促進されることが明らかになった.
ISSN:0013-7626
1880-358X
DOI:10.2503/jjshs.68.762