イカ塩辛熟成中における食中毒細菌の消長

黄色ブドウ球菌, 腸炎ビブリオ, E型ボッリヌス菌を塩辛に105~106CFU/g程度に植菌し, その熟成中の消長を調べた. その結果, 腸炎ビブリオ及びE型ボッリヌス菌の栄養細胞が急速に死滅し, 腸炎ビブリオでは12日後, E型ボツリヌス菌の栄養細胞では2日後, すでに検出できなかった. 一方, 黄色ブドウ球菌は生残したが, 熟成期間中増殖できず, エンテロトキシンA~D型は検出されなかった. 以上のことより, イカ塩辛は上記細菌による食中毒の危険性は少ないことが確認できたが, 黄色ブドウ球菌に関しては生残する可能性があるため, 製造工程中における本菌の二次汚染を防ぐことが重要であると考えら...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Shokuhin eiseigaku zasshi 1999/06/05, Vol.40(3), pp.206-210_1
Hauptverfasser: 呉, 友欽, 木村, 凡, 藤井, 建夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:黄色ブドウ球菌, 腸炎ビブリオ, E型ボッリヌス菌を塩辛に105~106CFU/g程度に植菌し, その熟成中の消長を調べた. その結果, 腸炎ビブリオ及びE型ボッリヌス菌の栄養細胞が急速に死滅し, 腸炎ビブリオでは12日後, E型ボツリヌス菌の栄養細胞では2日後, すでに検出できなかった. 一方, 黄色ブドウ球菌は生残したが, 熟成期間中増殖できず, エンテロトキシンA~D型は検出されなかった. 以上のことより, イカ塩辛は上記細菌による食中毒の危険性は少ないことが確認できたが, 黄色ブドウ球菌に関しては生残する可能性があるため, 製造工程中における本菌の二次汚染を防ぐことが重要であると考えられる.
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.40.3_206