輸入フィリピン産 'Carabao' マンゴー果実の品質保持に関する研究
輸入フィリピン産'Carabao'マンゴー果実を入荷後に果皮色によって類別し, それら果実の貯蔵中の外観, デンプン, 糖および有機酸含量の変化とそれに対するプラスチックフィルムの包装効果を調査した.1. 入荷時にPCI2とPCI3の果実を密封包装すると, それぞれ貯蔵7日にPCI4とPCI5になり, 共に緑色の残存がみられた.貯蔵中の果皮色および果肉色のハンターa値の変化は, 果皮色および果肉色とも増加したが, 密封包装果実の果皮色および果肉色は無包装および有孔包装の果実よりもハンターa値は低く推移した.2. 入荷当初のデンプン含量はPCI3の果実よりもPCI2の果実に多...
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Veröffentlicht in: | Engei Gakkai zasshi 1999/05/15, Vol.68(3), pp.669-674 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 輸入フィリピン産'Carabao'マンゴー果実を入荷後に果皮色によって類別し, それら果実の貯蔵中の外観, デンプン, 糖および有機酸含量の変化とそれに対するプラスチックフィルムの包装効果を調査した.1. 入荷時にPCI2とPCI3の果実を密封包装すると, それぞれ貯蔵7日にPCI4とPCI5になり, 共に緑色の残存がみられた.貯蔵中の果皮色および果肉色のハンターa値の変化は, 果皮色および果肉色とも増加したが, 密封包装果実の果皮色および果肉色は無包装および有孔包装の果実よりもハンターa値は低く推移した.2. 入荷当初のデンプン含量はPCI3の果実よりもPCI2の果実に多く, すべての果実において貯蔵1日にかけて急減した.マンゴー果実の主な糖はスクロースで, 全糖含量, スクロースおよびフルクトース含量は, すべての果実において貯蔵中に増加したが, 密封包装果実において増加傾向は小さく, また, 有孔および密封包装果実ではPCI2の果実の含量はPCI3の果実のそれより低かった.グルコース含量は両PCIの果実においても無包装と有孔包装果実で減少し, 密封包装の果実では変化は少なかった.3. 果実の主な有機酸はクエン酸で, その含量は貯蔵0日でPCI2がPCI3よりも高く, 貯蔵中にはすべての果実において減少した.その減少傾向は無包装および有孔包装果実ともほぼ同様で, 密封包装果実でややゆるやかであった.クエン酸以外の有機酸として, リンゴ酸, コハク酸が存在したが, 貯蔵中はいずれも低いレベルで推移した.4. PCI2およびPCI3の果実ともほぼ同時期に萎凋が発生し, 無包装果実では貯蔵5日で観察され, 有孔包装果実では貯蔵7日に萎凋が観察されたのに対して, 密封包装果実では貯蔵中に観察されなかった.萎凋が観察されたときの果実の水分損失率は約7%であった.5. 輸入フィリピン産'Carabao'マンゴー果実において, PCI2の果実と比較して, PCI3の果実における有孔包装は, 糖成分の増加, 有機酸の減少, 果皮色および果肉色の進行などを妨げず, 水分損失を抑制し, 外観もよく保持したことから, この程度の熟度の輸入フィリピン産'Carabao'マンゴー果実の熟成および品質保持に有孔包装が適していると考えられた. |
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ISSN: | 0013-7626 1880-358X |
DOI: | 10.2503/jjshs.68.669 |