ファジィ数を用いた植物生産環境システムの環境制御 (第1報): きのこ培養・熟成室における栽培環境の実態

きのこ工場における環境制御を最適に行うため, 栽培瓶数が15万本クラスである標準的規模のきのこ工場を取りあげ, 栽培室の設計根拠を明らかにするとともに, 炭酸ガス濃度, 温度および湿度などの空気環境を調べた.さらに空気環境を表す一般的数学モデルを利用し, 標準的規模のきのこ工場における空気環境状態を以下のように表すことができた.なお, 栽培室の空気環境は場所により幅がみられ, また幅を持って制御されるので, 本報では数値は [下限値, 上限値] で表す区間データとして扱った 1. きのこから発生する炭酸ガス量 (m3/h) は1時間あたり式 (3) で表され, これを質量基準で表せば [70.2,101.2] AN×10-6kg/hとも表される. 2. 栽培瓶から発生する熱量はQk= [0.268, 0.386] (W) であり, 栽培室の熱収支 (W) は栽培瓶N本, 1時間あたり式 (5) のごとく表される. 3. 栽培室の水分収支 (kg/h) は, 一般的に栽培瓶N本, 1時間あたり式 (12) のごとく表される.