ジャガイモ塊茎ディスクにおけるN-p-クマロイルオクトパミンのβ-1,3-グルコオリゴサッカライドによる誘導

ジャガイモ疫病菌由来の菌糸細胞壁成分で処理したジャガイモ塊茎ディスクに誘導されるフェノール性化合物として, N-p-クマロイルオクトパミンを同定した. 本化合物は, ディスクを褐藻類由来の市販β-1,3-グルコオリゴサッカライドであるラミナリンで処理した際にも, 濃度依存的に誘導された. 誘導量の最大レベルは組織重1gあたり約150μg (約500ナノモル) に及んだ. またラミナリンより誘導活性は劣るものの, β-1,3-グルコヘプタサッヵライド (7量体) に有意な活性が認められた. 一方, これまでにジャガイモでエリシター活性が認められているアラキドン酸は, 本アミド化合物の誘導に関して...

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Veröffentlicht in:Journal of Pesticide Science 1998/02/20, Vol.23(1), pp.49-53
Hauptverfasser: 宮川, 恒, 石原, 亨, 上野, 民夫, 古市, 尚高
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:ジャガイモ疫病菌由来の菌糸細胞壁成分で処理したジャガイモ塊茎ディスクに誘導されるフェノール性化合物として, N-p-クマロイルオクトパミンを同定した. 本化合物は, ディスクを褐藻類由来の市販β-1,3-グルコオリゴサッカライドであるラミナリンで処理した際にも, 濃度依存的に誘導された. 誘導量の最大レベルは組織重1gあたり約150μg (約500ナノモル) に及んだ. またラミナリンより誘導活性は劣るものの, β-1,3-グルコヘプタサッヵライド (7量体) に有意な活性が認められた. 一方, これまでにジャガイモでエリシター活性が認められているアラキドン酸は, 本アミド化合物の誘導に関してはあまり有効ではなかった. 以上のようなジャガイモ組織の反応は, 植物に対し代謝調節活性を示すオリゴ糖類の作用機構の解析に役立つものと期待される.
ISSN:1348-589X
0385-1559
1349-0923
DOI:10.1584/jpestics.23.49