早生温州ミカン果実ペルオキシダーゼのクロロフィル分解時におけるフラボノイド酸化の関与について

早生温州ミカン (品種興津早生) フラベドのクロロフィルペルオキシダーゼによるクロロフィル分解に関与するフラボノイドの影響について検討した. リン酸緩衝液を用いたフラベド抽出物とクロロフィルの混合物に過酸化水素を添加すると, クロロフィルの分解がみられたが, 加熱処理により酸素失活したものでは分解は認められなかった. フラベド抽出物に含まれるクロロフィラーゼにより形成されたクロロフィリッドも, 過酸化水素添加により分解された、HPLC分析によりフラベド抽出物には主要フラボノイドとしてヘスペリジンとナリルチンが含まれ, 過酸化水素添加によるクロロフィル分解に伴い, ヘスペリジンの減少がみられたが...

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Veröffentlicht in:Engei Gakkai zasshi 1997, Vol.66(2), pp.283-288
Hauptverfasser: 山内, 直樹, 夏, 暁明
Format: Artikel
Sprache:eng ; jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:早生温州ミカン (品種興津早生) フラベドのクロロフィルペルオキシダーゼによるクロロフィル分解に関与するフラボノイドの影響について検討した. リン酸緩衝液を用いたフラベド抽出物とクロロフィルの混合物に過酸化水素を添加すると, クロロフィルの分解がみられたが, 加熱処理により酸素失活したものでは分解は認められなかった. フラベド抽出物に含まれるクロロフィラーゼにより形成されたクロロフィリッドも, 過酸化水素添加により分解された、HPLC分析によりフラベド抽出物には主要フラボノイドとしてヘスペリジンとナリルチンが含まれ, 過酸化水素添加によるクロロフィル分解に伴い, ヘスペリジンの減少がみられたが, ナリルチンの減少はほとんどみられなかった. エチレン処理 (120ppm, 12時間処理) を行い脱緑を促進した果実のフラベド組織におけるフラボノイド含量を調べたところ, ヘスペリジン含量が20°C貯蔵中脱緑に伴い減少し, 一方, ナリルチン含量はほとんど変化がみられなかった. クロロフィルペルオキシダーゼ活性の変化についてみたところ, エチレン処理による脱緑に伴い増加することがわかった. 以上の結果から, 早生温州ミカンの脱緑に伴うクロロフィルの分解に, フラベド組織に含まれるヘスペリジンのクロロフィルペルオキシダーゼによる酸化反応が関与しているものと推察した.
ISSN:0013-7626
1880-358X
DOI:10.2503/jjshs.66.283