世界各地から収集されたダッタンソバ系統における農業生態的特性の地域間差異
ダッタンソバの生態型分化の様相を探るために, 世界各地のダッタンソバ栽培地域から収集された234系統を, 長日条件下で栽培試験に供し, 農業生態的特性を表す指標として, 開花まで日数, 草型に関連した9つの形質に着目し調査した. 収集地の緯度, 標高と諸形質との関連を見たところ, 中国では緯度と, ネパール西部地域, ヒマラヤの東部地域では標高と各形質との間で, それぞれ有意な相関が見られたが, その他の地域では一定の傾向は見られなかった. 次に9つの形質を用いたクラスター分析および主成分分析の結果から, 農業生態的特性の特徴的な6グループに分類した.この6グループの地理的分布を見ていったとこ...
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Veröffentlicht in: | Nettai nōgyō 1997/09/01, Vol.41(3), pp.143-150 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | eng ; jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | ダッタンソバの生態型分化の様相を探るために, 世界各地のダッタンソバ栽培地域から収集された234系統を, 長日条件下で栽培試験に供し, 農業生態的特性を表す指標として, 開花まで日数, 草型に関連した9つの形質に着目し調査した. 収集地の緯度, 標高と諸形質との関連を見たところ, 中国では緯度と, ネパール西部地域, ヒマラヤの東部地域では標高と各形質との間で, それぞれ有意な相関が見られたが, その他の地域では一定の傾向は見られなかった. 次に9つの形質を用いたクラスター分析および主成分分析の結果から, 農業生態的特性の特徴的な6グループに分類した.この6グループの地理的分布を見ていったところ, 多くの地域で, 異なる複数のグループが地域内に同所的に存在していた. このようなことが, 各形質と地理的要因との関連を不明瞭にしているものと思われた. しかし, 一方では, 地域内で各グループがどのくらいの比率で存在しているかという占有率でみると, 1) 高緯度 (40°N以上) ・高標高地帯 (3000m以上) ではG-Iが, 2) 中国・ヒマラヤ東部地域ではG-IIIが, 3) ネパール西部・中西部地域ではG-IVが優勢的に存在している, というようなグループの地理的分布に差異がみられた. これらのことから, ダッタンソバ系統に見られた農業生態的特性の分布の地域間差異は, 地理的な条件が関連している部分と, 地理的条件以外の人的要因, 例えば農耕システムなどの違いなどが組合わさって成立していると推察された. |
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ISSN: | 0021-5260 2185-0259 |
DOI: | 10.11248/jsta1957.41.143 |