マウス2細胞卵子における3H-メチオニンの取込みに及ぼすEDTAの影響

マウス初期胚の培養及び3H-メチオニンの取り込みに及ぼすEDTAの効果について調べた。マウス1細胞をM16に50μM EDTA添加した培養液での発育を観察した。その結果4細胞への発生率は,無添加区23.5%に対して87.5%,胚盤胞への発生率は無添加区の2.9%に対して71.9%と有意に増加した。3H-メチオニンの取り込みを調べたところ,hCG投与後45時間の2細胞期に取り込みが低下するのがM16およびM16+EDTAで観察された。このことからin vitroで起こるマウス初期胚のcell blockはhCG投与後40~45時間に起こることが判明した。一方,ICR系マウスとC57B/6系マウス...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:信州大学農学部紀要 1996-12, Vol.33 (1/2), p.9-17
Hauptverfasser: 辻井, 弘忠, 境, 久雄, 高木, 優二
Format: Artikel
Sprache:eng
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:マウス初期胚の培養及び3H-メチオニンの取り込みに及ぼすEDTAの効果について調べた。マウス1細胞をM16に50μM EDTA添加した培養液での発育を観察した。その結果4細胞への発生率は,無添加区23.5%に対して87.5%,胚盤胞への発生率は無添加区の2.9%に対して71.9%と有意に増加した。3H-メチオニンの取り込みを調べたところ,hCG投与後45時間の2細胞期に取り込みが低下するのがM16およびM16+EDTAで観察された。このことからin vitroで起こるマウス初期胚のcell blockはhCG投与後40~45時間に起こることが判明した。一方,ICR系マウスとC57B/6系マウスの卵子の3H-メチオニンの取り込みを比較したところ違いがみられた。これらのことから,M16にEDTAを添加した培養液は2細胞以降のタンパク合成を高め,卵子のゲノムを活性化すると思われた。
ISSN:0583-0621