心エコー検査による健常犬の左心機能と血圧の加齢による変化

実際の臨床において心機能を評価する場合に必要な基礎的データを得ることを目的として,動物病院に来院した健常犬96頭を用いて心機能影響因子,とくに加齢要因について心エコー検査および血圧測定による検討を加えた。その結果, 1) 左室の収縮能の指標であるFS,EF値に関しては,いずれも4~7歳齢で最高値を示した。 2) 左室の拡張能の指標であるE波およびA波は,加齢に伴ってE波は減少し,逆にA波の流速は増加する傾向が認められた。この傾向はヒトと同様である事から,心臓に対する加齢の影響はヒトとほぼ同様なメカニズムで発現するものと考えられた。 3) 加齢と血圧との関係では,ヒトと同様に年齢を経るにしたがっ...

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Veröffentlicht in:Dōbutsu no junkanki 1996, Vol.29(2), pp.79-84
Hauptverfasser: 土井口, 修, 松山, 琢哉, 吉本, 明美, 樋口, 充宏, 坂田, 美和子, 土井口, 勝
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:実際の臨床において心機能を評価する場合に必要な基礎的データを得ることを目的として,動物病院に来院した健常犬96頭を用いて心機能影響因子,とくに加齢要因について心エコー検査および血圧測定による検討を加えた。その結果, 1) 左室の収縮能の指標であるFS,EF値に関しては,いずれも4~7歳齢で最高値を示した。 2) 左室の拡張能の指標であるE波およびA波は,加齢に伴ってE波は減少し,逆にA波の流速は増加する傾向が認められた。この傾向はヒトと同様である事から,心臓に対する加齢の影響はヒトとほぼ同様なメカニズムで発現するものと考えられた。 3) 加齢と血圧との関係では,ヒトと同様に年齢を経るにしたがって上昇する傾向が認められた。この変化とヒトにおける変化が同一のメカニズムで発現する可能性があると思われた。
ISSN:0910-6537
1883-5260
DOI:10.11276/jsvc1984.29.79