エステラーゼA4の時間読み調節因子PINの存在

休眠には, 低温を積極的に要求する休眠間発達期間が存在する。カイコ休眠卵のエステラーゼA4 (EA4) は, その休眠間発達期間をはかるタンパク質であると推察されている。EA4が時間をはかる可能性を検討する研究の一環として, 時間読み開始機構について追究した。EA4はATPase活性を有しており, 5℃に冷蔵すると12日後に一過性の活性を発現した。卵を冷蔵した場合に見られる卵中EA4活性発現期とほとんど同じであった。本酵素は, 精製のほぼ最終段階である Sephadex G-25ゲルろ過で, 排除分画より遅れて溶出された。そこで, 排除分画中の低分子画分 (PIN) をEA4に加えたところ,...

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Veröffentlicht in:Nihon sanshigaku zasshi 1996/02/27, Vol.65(1), pp.31-38
Hauptverfasser: 甲斐, 英則, 小谷, 至彦, 小田, 克彦, 荒井, 輝彦, 三輪, 貴
Format: Artikel
Sprache:eng ; jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:休眠には, 低温を積極的に要求する休眠間発達期間が存在する。カイコ休眠卵のエステラーゼA4 (EA4) は, その休眠間発達期間をはかるタンパク質であると推察されている。EA4が時間をはかる可能性を検討する研究の一環として, 時間読み開始機構について追究した。EA4はATPase活性を有しており, 5℃に冷蔵すると12日後に一過性の活性を発現した。卵を冷蔵した場合に見られる卵中EA4活性発現期とほとんど同じであった。本酵素は, 精製のほぼ最終段階である Sephadex G-25ゲルろ過で, 排除分画より遅れて溶出された。そこで, 排除分画中の低分子画分 (PIN) をEA4に加えたところ, 活性が発現しなくなった。しかし, 混合1週間後にPINを除いたところ, 合計冷蔵18日後にEA4活性が発現し, 発現は約1週間遅れた。PINはEA4の時間読みを停止させる機能を有しており, PINが解離することによってEA4の時間読みが始まる可能性を推察した。
ISSN:0037-2455
1884-796X
DOI:10.11416/kontyushigen1930.65.31