血圧とミネラル, とくに食塩に関する臨床および疫学的研究

血圧と食塩の関連に関する研究は今世紀初めにさかのぼることができるが, 高血圧の成因に関連して食塩が注目を浴びてきたのはまだ半世紀にも満たず, 両者の関連性についてもまだ一定の見解が得られていないのが現状である. 高血圧治療の最終目的は, 高血圧合併症の予防と改善により, 患者の生命予後をよくするとともに, できるだけ快適な生活を送ってもらうことにある. 最近の降圧薬の開発は目覚ましく, 降圧治療の目的はある程度達成されてきたものの, 新たな問題も生じてきている1). 1993年の米国合同委員会第5次勧告案(JNC-V)の高血圧治療指針では, 降圧療法の第1に"life-style m...

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Veröffentlicht in:Nihon Eiyō, Shokuryō Gakkai shi 1995/12/10, Vol.48(6), pp.419-427
1. Verfasser: 川崎, 晃一
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:血圧と食塩の関連に関する研究は今世紀初めにさかのぼることができるが, 高血圧の成因に関連して食塩が注目を浴びてきたのはまだ半世紀にも満たず, 両者の関連性についてもまだ一定の見解が得られていないのが現状である. 高血圧治療の最終目的は, 高血圧合併症の予防と改善により, 患者の生命予後をよくするとともに, できるだけ快適な生活を送ってもらうことにある. 最近の降圧薬の開発は目覚ましく, 降圧治療の目的はある程度達成されてきたものの, 新たな問題も生じてきている1). 1993年の米国合同委員会第5次勧告案(JNC-V)の高血圧治療指針では, 降圧療法の第1に"life-style modification"をあげ, カリウム, マグネシウムなどのミネラル適量摂取の重要性を述べている2). 筆者は二十数年来, 血圧と食塩に関する臨床的研究を継続して行ってきた. その過程の中で, 両者に関する研究には, カリウム(K), マグネシウム(Mg)などのミネラルも深い関わりがあり, 血圧と食塩を含むこれらミネラルとの関連に関する研究の重要性にも注目してきた. 最近では, それらを含めた包括的な臨床ならびに疫学的研究を行ってきている.
ISSN:0287-3516
1883-2849
DOI:10.4327/jsnfs.48.419