グロースポーチ法によるクロタラリア属植物のアレロパシーの評価

マメ科緑肥作物として導入が試みられているクロタラリア属植物(Crotalaria spp.) 6種の葉および茎の搾汁液が後作物としてのコムギの根系の初期生育に及ぼす影響をグロースポーチを用いた方法で調査した. 生葉10gを培養液中で摩砕して調整した搾汁液を施用したところ, 施用後21日目において, 総根長では, 各処理区が培養液のみを施用した対照区に比べて有意に短くなり, C.juncea区とC.pallida区では対照区の40%にまで抑制された. 最長根長においても有意な抑制が認められ, C.juncea区とC.spectabilis区で特に顕著であった. C.spectabilisの施用に...

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Veröffentlicht in:Japanese journal of crop science 1995/09/05, Vol.64(3), pp.644-649
Hauptverfasser: 大段, 秀記, 大門, 弘幸, 三本, 弘乗
Format: Artikel
Sprache:eng ; jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:マメ科緑肥作物として導入が試みられているクロタラリア属植物(Crotalaria spp.) 6種の葉および茎の搾汁液が後作物としてのコムギの根系の初期生育に及ぼす影響をグロースポーチを用いた方法で調査した. 生葉10gを培養液中で摩砕して調整した搾汁液を施用したところ, 施用後21日目において, 総根長では, 各処理区が培養液のみを施用した対照区に比べて有意に短くなり, C.juncea区とC.pallida区では対照区の40%にまで抑制された. 最長根長においても有意な抑制が認められ, C.juncea区とC.spectabilis区で特に顕著であった. C.spectabilisの施用においては, 葉の搾汁液が茎の搾汁液よりも強い抑制を示し, 1Og区に比べて20g区が抑制程度が大きかった. 地上部および地下部乾物重においては, C.brevidens区, C.juncea区, C.lanceolata区, C.pallida区では明確な影響が認められなかったが, C.spectabilis区では地上部乾物重が対照区に比べて低い値を示した. コムギの根系構造のフラクタル次元は1.27から1.35の値を示し, 搾汁液の施用の影響は認められなかった. 以上のように, クロタラリア属植物の搾汁液はコムギの根の生長を抑制し, その程度に種間で差異が認められた. 本研究で用いたグロースポーチ法は, 根系を容易に観察できることから生育初期におけるアレロパシーの新しい評価法として期待できると思われる.
ISSN:0011-1848
1349-0990
DOI:10.1626/jcs.64.644