水稲種子根のエイジングに伴う炭素および窒素の動態
水稲芽生えの各器宮における炭素および窒素の分布パターンを経時的に測定し, とくに種子根の主根軸と側根のエイジングに伴う変化を比較検討した. 水稲品種・愛知旭の芽生えを, 根箱を用いて湛水条件下で播種後35日間生育させた. 炭素および窒素含有率は主根軸に比べて側根の方が高く, とくに窒素含有率で顕著であった. 同じエイジの種子根部位において, 炭素および窒素含有量は加齢するにつれて, 両器宮ともに減少する傾向にあったが, 新たな高次(2次)の側根が発根することにより, 側根における窒素含有量の減少パターンが緩和された. 主根軸と側根における炭素および窒素含有量と乾物重から長さへの転形効率は, 播...
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Veröffentlicht in: | Japanese journal of crop science 1995/09/05, Vol.64(3), pp.629-635 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | eng ; jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 水稲芽生えの各器宮における炭素および窒素の分布パターンを経時的に測定し, とくに種子根の主根軸と側根のエイジングに伴う変化を比較検討した. 水稲品種・愛知旭の芽生えを, 根箱を用いて湛水条件下で播種後35日間生育させた. 炭素および窒素含有率は主根軸に比べて側根の方が高く, とくに窒素含有率で顕著であった. 同じエイジの種子根部位において, 炭素および窒素含有量は加齢するにつれて, 両器宮ともに減少する傾向にあったが, 新たな高次(2次)の側根が発根することにより, 側根における窒素含有量の減少パターンが緩和された. 主根軸と側根における炭素および窒素含有量と乾物重から長さへの転形効率は, 播種後21日目以降になると側根の方が主根軸に比べて, 炭素含有量と乾物重では約27倍, 窒素含有量では約12倍高かった. これらの結果は, 主根軸と側根とではエイジングのパターンが異なること, また主根軸より側根の方が, 全根系の代謝活性を制御する器宮として重要な役割を果していることを示唆した. さらに, 播種後12日目以降の主根軸における窒素含有量が増加することや, 側根数が実験終了時まで増加したことは, 水稲の種子根は少なくとも播種後35日目までは生存し, 代謝活性を維持していることを示すものであった. |
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ISSN: | 0011-1848 1349-0990 |
DOI: | 10.1626/jcs.64.629 |