ウンシュウミカンにおけるミカンキイロアザミウマの寄生特性と被害の特徴
ミカンキイロアザミウマのウンシュウミカンへの寄生特性と被害の特徴を施設及び露地ほ場の調査と接種試験によって検討した結果,次のことが明らかになった。本種は花及び果実に寄生し,花では開花盛期から開花終期にかけて寄生率が高まり,終期の花からは多くの幼虫ふ化が認められた。産卵は花弁及び雄ずいより雌ずい,子房及びがくに多かった。ふ化幼虫の幼果に対する摂食はがくの内面からがく付近の果面に行われ,この傷から梅雨期に炭そ病菌等が感染して腐敗が発生した。被害は開花終期の花に由来する幼果に限って発生し,被害果は生理落果しないが7月下旬までに自然落下した。これは通常管理で摘果される果実に当るため経営には影響しないと...
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Veröffentlicht in: | Nihon Ōyō Dōbutsu Konchū Gakkai shi 1995/08/25, Vol.39(3), pp.253-259 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | ミカンキイロアザミウマのウンシュウミカンへの寄生特性と被害の特徴を施設及び露地ほ場の調査と接種試験によって検討した結果,次のことが明らかになった。本種は花及び果実に寄生し,花では開花盛期から開花終期にかけて寄生率が高まり,終期の花からは多くの幼虫ふ化が認められた。産卵は花弁及び雄ずいより雌ずい,子房及びがくに多かった。ふ化幼虫の幼果に対する摂食はがくの内面からがく付近の果面に行われ,この傷から梅雨期に炭そ病菌等が感染して腐敗が発生した。被害は開花終期の花に由来する幼果に限って発生し,被害果は生理落果しないが7月下旬までに自然落下した。これは通常管理で摘果される果実に当るため経営には影響しないと考えられた。成虫は幼果には寄生せず,接種した成虫は生存できなかった。果実への成虫の寄生と摂食が行われたのは,果皮の油胞が黄色になった時期から収穫期までであった。果皮への産卵は着色した部位を選好して行われていた。果実の被害は,白いカスリ状の斑点となり,果皮色と同色の糞を伴っており,この斑点は果皮表層にできた微細な空洞の集合であった。新梢には,その硬化程度に関わらず寄生や被害は認められなかった。 |
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ISSN: | 0021-4914 1347-6068 |
DOI: | 10.1303/jjaez.39.253 |