バングラデシュ産野生サトイモ (Colocasia esculenta Schott) のアイソザイムの遺伝様式と変異

バングラデシュ産野生サトイモの二倍体および三倍体を用いてアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AAT), シキミ酸デヒドロゲナーゼ (SKDH) およびグルコースリン酸イソメラーゼ (GPI) のアイソザイムの遺伝様式と変異について解析を行った. 二倍体野生系統間の交配によって得られた5種類の交雑実生群および二倍体系統のアイソザイムの多型性を解析した結果, 三つのアイソザイム遺伝子座Aat-1 SkdhおよびGpi-2が同定された. また, 遺伝子座Aat-1 およびSkdhではそれぞれ二つの対立遺伝子が, Gpi-2では三つの対立遺伝子が存在することが推定された. これらの三つのアイソザイ...

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Veröffentlicht in:Engei Gakkai zasshi 1995, Vol.64(1), pp.113-119
Hauptverfasser: 一色, 司郎, 中田, 正洋, 中村, 典義, 田代, 洋丞, 宮崎, 貞巳
Format: Artikel
Sprache:eng ; jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:バングラデシュ産野生サトイモの二倍体および三倍体を用いてアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AAT), シキミ酸デヒドロゲナーゼ (SKDH) およびグルコースリン酸イソメラーゼ (GPI) のアイソザイムの遺伝様式と変異について解析を行った. 二倍体野生系統間の交配によって得られた5種類の交雑実生群および二倍体系統のアイソザイムの多型性を解析した結果, 三つのアイソザイム遺伝子座Aat-1 SkdhおよびGpi-2が同定された. また, 遺伝子座Aat-1 およびSkdhではそれぞれ二つの対立遺伝子が, Gpi-2では三つの対立遺伝子が存在することが推定された. これらの三つのアイソザイム遺伝子座間に連鎖は認められなかった. これらのアイソザイムにおける遺伝的変異はメンデルの法則に従って遺伝することから, サトイモの遺伝研究, 分類および育種における遺伝的マーカーとして利用可能であると考えられる. 三倍体系統は同定された三つのすべての遺伝子座において二倍体系統で認められたものと同じ対立遺伝子のみをもっていた. このことから三倍体は二倍体と共通の構成ゲノムをもつことが示唆される、従って, バングラデシュ産野生サトイモの三倍体はその二倍体に由来したものであると推定される.
ISSN:0013-7626
1880-358X
DOI:10.2503/jjshs.64.113