ダイズ品種の光エネルギー変換効率と受光態勢ならびに葉身窒素濃度との関係

ダイズ品種の乾物生産力を, 個体群の補捉日射エネルギー(PAR)当たりの乾物生産量(EPAR)で評価し, それに関連する要因を解析した. 1989年にダイズ11品種を, 1990年に27品種を滋賀県立短期大学農業部畑圃場で栽培した. 個体群補捉日射量の推移, 地上部全乾物重の推移, 群落吸光係数(KPAR), 葉面積当たり窒素濃度(SLN)および地上部全窒素含量(1990年のみ)を測定した. EPARの全品種平均値は両年とも2.48gMJ-1であった. 変動係数でみると品種間には±9%(1989年)あるいは±17%(1990年)の変異がみられ, 全体に新しい品種が旧品種よりも勝っていた. EP...

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Veröffentlicht in:Japanese journal of crop science 1994/03/05, Vol.63(1), pp.1-8
Hauptverfasser: 白岩, 立彦, 橋川, 潮, 高, 進吾, 酒井, 綾子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:ダイズ品種の乾物生産力を, 個体群の補捉日射エネルギー(PAR)当たりの乾物生産量(EPAR)で評価し, それに関連する要因を解析した. 1989年にダイズ11品種を, 1990年に27品種を滋賀県立短期大学農業部畑圃場で栽培した. 個体群補捉日射量の推移, 地上部全乾物重の推移, 群落吸光係数(KPAR), 葉面積当たり窒素濃度(SLN)および地上部全窒素含量(1990年のみ)を測定した. EPARの全品種平均値は両年とも2.48gMJ-1であった. 変動係数でみると品種間には±9%(1989年)あるいは±17%(1990年)の変異がみられ, 全体に新しい品種が旧品種よりも勝っていた. EPARはSLNとの間に正の相関関係を示した(1989年r=0.548, 1990年r=0.651)が, KPARとの間には相関関係がみられなかった. SLNが比葉重(SLW)と密接な関係(1989年r=0.954, 1990年r=0.710)を示したことから, EPARにみられる新旧品種間差異は, 主として葉身の形態特性の改善による個葉光合成能力の増大によるものと推察された. SLNはさらに, 地上部全窒素含量と正の相関を示し(1990年, r=0.736), 個体全体の窒素蓄積量の制限を受けるようであった.
ISSN:0011-1848
1349-0990
DOI:10.1626/jcs.63.1