春切と夏切桑園における施肥窒素の桑による吸収利用
収穫法が異なる桑園における施肥窒素の吸収利用について検討するため, 標識窒素を用いた圃場試験を実施した。収穫法の違いは輪収春切と輪収夏切とした。その結果, 1) 春切桑の初秋蚕期収穫物中の施肥窒素由来の割合は, 夏肥より春肥が高く, 晩秋蚕期収穫物中では夏肥が高かった。2) 夏切桑の収穫物中に占める春肥由来の割合は春蚕期と晩秋蚕期でほぼ同様であった。また晩秋蚕期収穫物では春肥と夏肥は大差なく, 再発枝の伸長に春肥窒素もかなり利用されたと考えられた。3) 翌年収穫物への施肥窒素の取り込みは輪収春切桑に施用した窒素が輪収夏切の場合より多かった。4) 春肥窒素の利用率は春切と夏切が同等で, 夏肥窒素...
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Veröffentlicht in: | Nihon sanshigaku zasshi 1994/02/27, Vol.63(1), pp.45-50 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 収穫法が異なる桑園における施肥窒素の吸収利用について検討するため, 標識窒素を用いた圃場試験を実施した。収穫法の違いは輪収春切と輪収夏切とした。その結果, 1) 春切桑の初秋蚕期収穫物中の施肥窒素由来の割合は, 夏肥より春肥が高く, 晩秋蚕期収穫物中では夏肥が高かった。2) 夏切桑の収穫物中に占める春肥由来の割合は春蚕期と晩秋蚕期でほぼ同様であった。また晩秋蚕期収穫物では春肥と夏肥は大差なく, 再発枝の伸長に春肥窒素もかなり利用されたと考えられた。3) 翌年収穫物への施肥窒素の取り込みは輪収春切桑に施用した窒素が輪収夏切の場合より多かった。4) 春肥窒素の利用率は春切と夏切が同等で, 夏肥窒素の利用率は夏切が明らかに低かった。また, 春切では春肥より夏肥の利用率が高く, 夏切では春肥の利用率が高かった。 5) これには, 夏切では, 桑が最も夏肥を吸収する時期の全伐により, 根の活動が低下したことが影響したと考えられた。 |
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ISSN: | 0037-2455 1884-796X |
DOI: | 10.11416/kontyushigen1930.63.45 |