萎縮病クワから師管液の採取並びにMLOの検出

クワ萎縮病の病原であるマイコプラズマ様微生物 (MLO) が, ベッコウハゴロモ (Ricania japonica Melichar) を用いたスタイレクトミー法 (YAGレーザー光線により昆虫の口針を切断) により採取された。すなわち, この方法で採取した萎縮病クワの師管液をDAPI (4′,6-ジアミジノ-2-フェニールインドール) で染色すると, 健全師管液では観察されない蛍光粒子としてMLOが観察された。さらに師管液を透過型電子顕微鏡で観察すると, 罹病クワ組織内と同形態のMLOが検出された。 一方, 萎縮病の媒介昆虫であるヨコバイ類および他の供試した数種の半翅目昆虫は, このレーザ...

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Veröffentlicht in:Nihon sanshigaku zasshi 1993/04/27, Vol.62(2), pp.125-131
Hauptverfasser: 川北, 弘, 且原, 真木
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:クワ萎縮病の病原であるマイコプラズマ様微生物 (MLO) が, ベッコウハゴロモ (Ricania japonica Melichar) を用いたスタイレクトミー法 (YAGレーザー光線により昆虫の口針を切断) により採取された。すなわち, この方法で採取した萎縮病クワの師管液をDAPI (4′,6-ジアミジノ-2-フェニールインドール) で染色すると, 健全師管液では観察されない蛍光粒子としてMLOが観察された。さらに師管液を透過型電子顕微鏡で観察すると, 罹病クワ組織内と同形態のMLOが検出された。 一方, 萎縮病の媒介昆虫であるヨコバイ類および他の供試した数種の半翅目昆虫は, このレーザー・スタイレクトミー法には利用出来なかった。これら利用不能なヨコバイ類のレーザー切断口針は, 一部が脱落するなど著しく変形していたのに対し, 師管液が採取されたベッコウハゴロモの口針は, 組織内によく挿入されたままの状態で残ることが走査型電子顕微鏡により観察された。
ISSN:0037-2455
1884-796X
DOI:10.11416/kontyushigen1930.62.125