コスモス衛星写真による黒ボク土の特性把握とキャベツ根こぶ病の発生評価

本研究はコスモス衛星写真 (Sojuzkarta KFA 1000) を用いて黒ボク土の特性分類を行い, それを基にキャベツ根こぶ病発生の特徴を明らかにすることを目的とした. 対象地域は群馬県嬬恋村全域とした. 使用したフィルム (番号 : 25253) は1988年6月7日に撮影されたものであり, 赤 (570-680nm) と近赤外 (680-810nm) に感光する特徴をもつ. ドラムスキャナーを用いて, デジタル画像 (地上分解能約6m) を作成して解析に供試した. 対象地域に分布する5土壌統群は近赤外の反射強度によって明瞭に区分できた. このことは土色, 土壌有機物含有率, ならびに...

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Veröffentlicht in:Japanese journal of crop science 1993/12/05, Vol.62(4), pp.585-594
Hauptverfasser: 鳥越, 洋一, 井上, 隆弘, 天野, 哲郎, 小川, 奎, 福原, 道一
Format: Artikel
Sprache:eng ; jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:本研究はコスモス衛星写真 (Sojuzkarta KFA 1000) を用いて黒ボク土の特性分類を行い, それを基にキャベツ根こぶ病発生の特徴を明らかにすることを目的とした. 対象地域は群馬県嬬恋村全域とした. 使用したフィルム (番号 : 25253) は1988年6月7日に撮影されたものであり, 赤 (570-680nm) と近赤外 (680-810nm) に感光する特徴をもつ. ドラムスキャナーを用いて, デジタル画像 (地上分解能約6m) を作成して解析に供試した. 対象地域に分布する5土壌統群は近赤外の反射強度によって明瞭に区分できた. このことは土色, 土壌有機物含有率, ならびに水分保持力等の違いによるものと考えられた. 単一の土壌統群において赤の反射強度に大きな変異が認められた. これは土壌水分状態の違いによるものと推察された. このようにして, 土壌統群と排水性の違いを把握することができた. 次に過去6年の発病記録を基に作成した発生地図と土壌特性との関係を検討したところ, 本病の発生は土壌統群間で異なり, 特に淡色黒ボク土ではほとんど発生を認めることができなかった. また本病の発生は排水性の悪いところで著しいことが明らかになった. また, 多雨年と平年との発生を比較したところ, 本病は多雨年に発生が多くなることを認めた. これらの発生特徴は既往の成果によく一致することから, コスモス衛星写真は黒ボク土の特性把握に有効であり, 根こぶ病の発生危険箇所の把握に有用であることが明らかにされた.
ISSN:0011-1848
1349-0990
DOI:10.1626/jcs.62.585