ワイルドライス幼植物体の生育に及ぼす水深と温度の影響

わが国の水田利用再編対策のもとで, ワイルドライス (アメリカマコモ) のもつ水生植物としての特性や寒冷地での適応性は, 北日本での実用的な水田栽培の可能性に対する興味を刺激している. 本研究では, 幼植物体の生育に及ぼす水深と温度の影響を検討するため, ニつの実験を行った. 実験1はNetumを用いてガラス室で, 実験2はK2を用いて人工気象室で実施した. 移植後30日目の乾物重でみた生育は, 実験1では水深2cmで, 実験2では2~6cmで促進された. これらには葉と根の数とサイズの増加が貢献していた. 草丈は水深の違いによって大きく影響されないが, 8cm以上の水深で栽培したとき徒長気味...

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Veröffentlicht in:Japanese journal of crop science 1993/09/05, Vol.62(3), pp.414-418
Hauptverfasser: 源馬, 琢磨, 三浦, 秀穂, 林, 克昌
Format: Artikel
Sprache:eng ; jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:わが国の水田利用再編対策のもとで, ワイルドライス (アメリカマコモ) のもつ水生植物としての特性や寒冷地での適応性は, 北日本での実用的な水田栽培の可能性に対する興味を刺激している. 本研究では, 幼植物体の生育に及ぼす水深と温度の影響を検討するため, ニつの実験を行った. 実験1はNetumを用いてガラス室で, 実験2はK2を用いて人工気象室で実施した. 移植後30日目の乾物重でみた生育は, 実験1では水深2cmで, 実験2では2~6cmで促進された. これらには葉と根の数とサイズの増加が貢献していた. 草丈は水深の違いによって大きく影響されないが, 8cm以上の水深で栽培したとき徒長気味の生育を示し, 幼植物体の乾物重は大きく低下した. 実験2でみた温度の影響は強く表れ, 12℃に比べ20℃での生育が優った. 温度と水深の間には相互作用がなく, これら二つの要因は独立して幼植物体の生育に影響を及ぼすとみられた.
ISSN:0011-1848
1349-0990
DOI:10.1626/jcs.62.414