ジャポニカ/インディカF1雑種水稲における根系発達の雑種強勢

F1雑種水稲の活発な生長に対して根系の発達と機能とが密接に関与していると考えられるが, このような視点からの研究は少ない. そこで, 本研究は30日間水耕液で育てたジャポニカ/インディカF1雑種水稲の幼植物における根系発達を明らかにするために行われた. 節根1本当たりの乾物重は播種後10日目を除き, 常に両親よりF1雑種で高かった. 播種後20日目の根系を側根まで実測したところ, F1雑種は両親と比べて節根1本当たりの全根長が長くて全根数が多かった. 根系全体から見ると, F1雑種の全根長, 根系乾物重および全根数は両親のそれらを大きく上回り, Heterobeltiosis (=F1雑種/優...

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Veröffentlicht in:Japanese journal of crop science 1993/06/05, Vol.62(2), pp.261-266
Hauptverfasser: 長谷川, 浩, 金, 忠男, 河野, 恭広
Format: Artikel
Sprache:eng ; jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:F1雑種水稲の活発な生長に対して根系の発達と機能とが密接に関与していると考えられるが, このような視点からの研究は少ない. そこで, 本研究は30日間水耕液で育てたジャポニカ/インディカF1雑種水稲の幼植物における根系発達を明らかにするために行われた. 節根1本当たりの乾物重は播種後10日目を除き, 常に両親よりF1雑種で高かった. 播種後20日目の根系を側根まで実測したところ, F1雑種は両親と比べて節根1本当たりの全根長が長くて全根数が多かった. 根系全体から見ると, F1雑種の全根長, 根系乾物重および全根数は両親のそれらを大きく上回り, Heterobeltiosis (=F1雑種/優良親×100) はそれぞれ168, 123, 139に達した. その結果, F1雑種の根系は両親のそれより重いだけでなく, 全根長/根系乾物重比 (Specific root length) においても両親のそれを上回った. このことは, F1雑種は両親と比べて乾物から根長への転換効率が高いことを示唆している.
ISSN:0011-1848
1349-0990
DOI:10.1626/jcs.62.261