ラットにおけるD型フェニルアラニンのL型への変換: 安定同位体トレーサー法によるフェニルアラニンの代謝研究

ラットにおけるD型Pheの代謝を安定同位体トレーサー法により調べた。重水素標識D型Phe (D-Phe (d5)) を水素-重水素交換法により調製した。これと市販のL-Phe (d8) との等モル混合物をラットに腹腔内あるいは経口投与した後, 3~60分にわたり5~7回心臓より採血した。 1) GC-MS-SIM法により血中のPhe (d5) とPhe (d8) を定量した。(a) 腹腔内投与後の濃度曲線から, D型 (Phe (d5)) およびL型 (Phe (d8)) の半減期はそれぞれ30分および15分であった。すなわち, D型からL型への変換ののち代謝される経路においてD型からL型への...

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Veröffentlicht in:Nihon Eiyō, Shokuryō Gakkai shi 1994/10/10, Vol.47(5), pp.381-384
Hauptverfasser: 成瀬, 克子, 横山, 久美代, 徳久, 幸子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:ラットにおけるD型Pheの代謝を安定同位体トレーサー法により調べた。重水素標識D型Phe (D-Phe (d5)) を水素-重水素交換法により調製した。これと市販のL-Phe (d8) との等モル混合物をラットに腹腔内あるいは経口投与した後, 3~60分にわたり5~7回心臓より採血した。 1) GC-MS-SIM法により血中のPhe (d5) とPhe (d8) を定量した。(a) 腹腔内投与後の濃度曲線から, D型 (Phe (d5)) およびL型 (Phe (d8)) の半減期はそれぞれ30分および15分であった。すなわち, D型からL型への変換ののち代謝される経路においてD型からL型への変換が律速段階であることが示された。(b) 経口投与後の濃度曲線から, 腸管から血中への取込みはD型の方が遅いことが示唆された。 2) LC-MS-SIM法により血中のL-Phe (d5) とD-Phe (d5) の比を求めた結果, 腹腔内, 経口いずれの投与方法においても, D型の約10%がL型に変換していた。すなわち, D, L変換において腸内細菌および腸管吸収の影響は無視できることが示された。
ISSN:0287-3516
1883-2849
DOI:10.4327/jsnfs.47.381