牛血清OCT活性測定の改良法

肝特異性の極めて高いことが知られているornithine carbamoyl transferase (OCT)活性の測定法を, 牛血清に適するように改良した. 反応液中のcarbamoyl phosphate濃度を60mMに増量し, りん酸緩衝液をpH7.2にした. この改良により測定感度が向上した. 測定値の信頼性も確認され, 日差再現性は高OCT活性血清で変動係数7.9%, 正常牛血清で14.8%であった. 活性は-20℃で約2ヵ月, -80℃で少なくとも6ヵ月間は安定だった. 7戸の農家で飼育されている164頭の乳牛あるいは育成牛から採取した血清を用いて, OCT活性と, その他, ア...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Journal of Veterinary Medical Science 1994/02/15, Vol.56(1), pp.21-26
Hauptverfasser: 土屋, 亮, 藤瀬, 浩, 西薗, 一也, 芦田, 佳典, 山田, 隆紹, 小林, 好作
Format: Artikel
Sprache:eng ; jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:肝特異性の極めて高いことが知られているornithine carbamoyl transferase (OCT)活性の測定法を, 牛血清に適するように改良した. 反応液中のcarbamoyl phosphate濃度を60mMに増量し, りん酸緩衝液をpH7.2にした. この改良により測定感度が向上した. 測定値の信頼性も確認され, 日差再現性は高OCT活性血清で変動係数7.9%, 正常牛血清で14.8%であった. 活性は-20℃で約2ヵ月, -80℃で少なくとも6ヵ月間は安定だった. 7戸の農家で飼育されている164頭の乳牛あるいは育成牛から採取した血清を用いて, OCT活性と, その他, アスパルテートアミノトランスフェラーゼ, ガンマグルタミルトランスペプチターゼなどいくつかの生化学成分を測定した. この調査で得られた牛血清OCT活性の正常範囲は9.2~25.1U/l (平均±2SD)であった. 実際に, 他の生化学検査項目の成績から何らかの肝疾患の存在が示唆された1農家の牛群で, 最も高いOCT活性平均値が得られた. 本改良法で得られるOCT活性は牛の肝疾患の診断指標として非常に有用と思われた.
ISSN:0916-7250
1347-7439
DOI:10.1292/jvms.56.21