パッションフルーツ中のプロテアーゼインヒビター

植物由来のプロテアーゼインヒビターの研究に関しては, ダイズをはじめ, 多くの植物についての研究結果1)-6)が報告されており, その大部分は種子または根塊といった貯蔵組織から得られたインヒビターである. 発芽時の貯蔵タンパク質の分解にあたっては, プロテアーゼの作用は特定の場所と時期に決まったタンパク質に対して行われるべきで, これらの貯蔵組織にインヒビターが存在することは厳密にかつ特異的にプロテアーゼ活性を制御する有効な方法の一つであると考えられる. しかし, これらのほとんどのインヒビターの研究は, 動物由来のセリンプロテアーゼに代表されるトリプシン, キモトリプシンを阻害するプロテアー...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Nihon Eiyō, Shokuryō Gakkai shi 1993, Vol.46(5), pp.409-415
Hauptverfasser: 橋口, 智子, 稲井, 道子, 大久保, 美智子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:植物由来のプロテアーゼインヒビターの研究に関しては, ダイズをはじめ, 多くの植物についての研究結果1)-6)が報告されており, その大部分は種子または根塊といった貯蔵組織から得られたインヒビターである. 発芽時の貯蔵タンパク質の分解にあたっては, プロテアーゼの作用は特定の場所と時期に決まったタンパク質に対して行われるべきで, これらの貯蔵組織にインヒビターが存在することは厳密にかつ特異的にプロテアーゼ活性を制御する有効な方法の一つであると考えられる. しかし, これらのほとんどのインヒビターの研究は, 動物由来のセリンプロテアーゼに代表されるトリプシン, キモトリプシンを阻害するプロテアーゼインヒビターに関するものである. また, 果物由来のプロテアーゼについてはパパイン, フィチン, プロメライン等の報告7)-9)があるが, 果物中のプロテアーゼインヒビターについての報告はわずかである10)11). 本研究では, プロテアーゼの存在がすでに報告12)されているパッションフルーツ(Passiflora edulis SIM)果汁中よりプロテアーゼインヒビター(PEPI)を抽出し, その性質についていくつかの知見を得たので報告する.
ISSN:0287-3516
1883-2849
DOI:10.4327/jsnfs.46.409