簡易法による栄養素等摂取量推定方法の検討

健康調査の一環として食物摂取状況調査は欠くことのできない調査である。検診等疫学調査では一度に多数の対象者の実情把握が要求される。限られた時間・調査者のなかで, いかに正確に対象者の実情を把握できるかが肝要である。そこで多数の対象者に対する調査法として簡易食物調査表を作成した。本報では66名の健常者を対象に簡易法による調査成績とそれに対応した同一人における3日間の秤量調査成績を比較し, 簡易法による摂取量の推定を検討した。 1) 米・パン・いも・油脂・緑黄色野菜・アルコール・獣鳥肉類の摂取量に有意差を認めず, 魚介類は簡易法が低値を示し, 嗜好品・卵・牛乳類・大豆製品の摂取量は簡易法が高値を示し...

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Veröffentlicht in:Nihon Eiyō, Shokuryō Gakkai shi 1992/12/10, Vol.45(6), pp.535-543
Hauptverfasser: 伊藤, 和枝, 益田, 敦子, 上園, 慶子, 川崎, 晃一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:健康調査の一環として食物摂取状況調査は欠くことのできない調査である。検診等疫学調査では一度に多数の対象者の実情把握が要求される。限られた時間・調査者のなかで, いかに正確に対象者の実情を把握できるかが肝要である。そこで多数の対象者に対する調査法として簡易食物調査表を作成した。本報では66名の健常者を対象に簡易法による調査成績とそれに対応した同一人における3日間の秤量調査成績を比較し, 簡易法による摂取量の推定を検討した。 1) 米・パン・いも・油脂・緑黄色野菜・アルコール・獣鳥肉類の摂取量に有意差を認めず, 魚介類は簡易法が低値を示し, 嗜好品・卵・牛乳類・大豆製品の摂取量は簡易法が高値を示した。 2) エネルギー, タンパク質, 繊維Ca, K, ビタミンB2摂取量に有意差は認めなかった。脂質, 鉄, ビタミンA.B1・Cの摂取量は簡易法が低値を示した。 3) 簡易法によるNa・K摂取量はそれぞれ226.7 meq, 61.6meq, 24時間尿中Na・K排泄量推定値はそれぞれ183.7meq, 53.5meqであった。摂取量に対する尿中排泄量の比はそれぞれ81.0%, 86.9%であった。 4) エネルギー, タンパク質, 脂質, Ca, Na, K, ビタミンB1・B2摂取量は両調査法間に有意な正相関を認めた。簡易法による摂取量と標準化残差の分布は不規則で, 簡易法による摂取量の推定に特定の偏りはなかった。
ISSN:0287-3516
1883-2849
DOI:10.4327/jsnfs.45.535