ウサギにおける実験的靭帯欠損部位のコラーゲン産生ならびに成熟に対する変動電磁場の影響

膝蓋靭帯中央部に欠損を作製した雄のウサギ80羽に対し, それぞれ0(対照群), 2, 10, 50 gauss(G)の磁場強度(周波数10 Hz, パルス幅25μsec)で連日6時間刺激した. 刺激後1, 2, 3, 4週目に各群ごとに欠損部の血流量の測定, コラーゲン量の測定, コラーゲン分子種の同定および電子顕微鏡による組織学的検索を行った. その結果, 50G群では血流量が2週後以降に他群より有意に高く, 10G群も有意な高値を示したが, 2G群は対照群と同様であった. 欠損部のコラーゲン量は, PEMFs群ではいずれも対照群より有意に高値を示し, またその増加の程度は磁場強度の強さに比...

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Veröffentlicht in:Journal of Veterinary Medical Science 1993/08/15, Vol.55(4), pp.527-531
Hauptverfasser: 林, 永昌, 西村, 亮平, 野崎, 一敏, 佐々木, 伸雄, 後藤, 直彰, 廉沢, 剛, 伊達, 宗宏, 竹内, 啓
Format: Artikel
Sprache:eng ; jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:膝蓋靭帯中央部に欠損を作製した雄のウサギ80羽に対し, それぞれ0(対照群), 2, 10, 50 gauss(G)の磁場強度(周波数10 Hz, パルス幅25μsec)で連日6時間刺激した. 刺激後1, 2, 3, 4週目に各群ごとに欠損部の血流量の測定, コラーゲン量の測定, コラーゲン分子種の同定および電子顕微鏡による組織学的検索を行った. その結果, 50G群では血流量が2週後以降に他群より有意に高く, 10G群も有意な高値を示したが, 2G群は対照群と同様であった. 欠損部のコラーゲン量は, PEMFs群ではいずれも対照群より有意に高値を示し, またその増加の程度は磁場強度の強さに比例した. 一方, 電顕所見では, 50G群の2週後における線維芽細胞内にきわめて発達した粗面小胞体が認められ, コラーゲン分泌機能が他群よりも早期に活発化するものと思われた. 以上の結果から, PEMFs刺激により靭帯損傷部位の血流量が増加し, そこに出現する線維芽細胞が増殖するとともに, コラーゲン産生量も変動電磁場の直接刺激により増加し, これらが修復機転を促進するものと考えられた.
ISSN:0916-7250
1347-7439
DOI:10.1292/jvms.55.527