腹水型スナネズミ悪性黒色腫由来の培養細胞の特徴

可移植性スナネズミ悪性黒色腫から培養細胞系を樹立した. 腹腔内に移植された同種動物において腹水の貯留が認められ, 今回, この腹水中の腫瘍細胞を出発材料として細胞培養を試みた. 初代培養では多極性および多形性細胞の2種類が区別された. 継代6代目より, 多形性細胞に付着する細胞塊が観察された. そこで, この付着している細胞をはがし継代を行ったところ, 細胞は多極性で多数の細胞突起を有し, 活発に増殖し, 房状構造を呈した. 継代初期では光顕および電顕観察において, メラニン顆粒を多数有する細胞が証明された. Dopa反応では殆どの細胞が陽性であった. 20代から30代の継代を重ねるにつれ,...

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Veröffentlicht in:Journal of Veterinary Medical Science 1993/04/15, Vol.55(2), pp.227-232
Hauptverfasser: 橋本, 統, 宮本, 健一, 森友, 忠昭, 斎藤, 寛史, 渡辺, 翼, 望月, 公子
Format: Artikel
Sprache:eng ; jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:可移植性スナネズミ悪性黒色腫から培養細胞系を樹立した. 腹腔内に移植された同種動物において腹水の貯留が認められ, 今回, この腹水中の腫瘍細胞を出発材料として細胞培養を試みた. 初代培養では多極性および多形性細胞の2種類が区別された. 継代6代目より, 多形性細胞に付着する細胞塊が観察された. そこで, この付着している細胞をはがし継代を行ったところ, 細胞は多極性で多数の細胞突起を有し, 活発に増殖し, 房状構造を呈した. 継代初期では光顕および電顕観察において, メラニン顆粒を多数有する細胞が証明された. Dopa反応では殆どの細胞が陽性であった. 20代から30代の継代を重ねるにつれ, メラニン顆粒の減少が認められ殆どの細胞が無色素性となった. 増殖曲線より倍加時間は32時間と計算され, 染色体数は68から82に分布した. この培養細胞を同種動物の腹腔内ヘ接種したところ, 接種後, 30日以内に腹腔内に白色腫瘍が形成された. この細胞系は, MGM-Aと名付けられ, 2年間にわたり100代以上培養維持されている.
ISSN:0916-7250
1347-7439
DOI:10.1292/jvms.55.227