最近の日本における馬のインフルエンザウイルス抗体の動向

1988~90年に日高地区で採取した305例の馬血清について, 馬インフルエンザウイルスの A/equine/Newmarket/1/77 (H7N7), A/equine/Tokyo/2/71/ (H3N8), A/equine/Kentucky/ 1/81 (H3N8)に対する抗体を測定した. ワクチン接種前の2歳馬血清45例のほとんどは3ウイルス株に対するHI抗体が陰性であったが, 接種後の血清51例の37~88%が陽性であった. また, この51例を含む年齢の確認できた2~23歳馬からの血清166例では, 2歳馬において3ウイルス株に対するHI抗体価, 陽性率ともに最も高い値を示したが...

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Veröffentlicht in:Journal of Veterinary Medical Science 1993/02/15, Vol.55(1), pp.33-37
Hauptverfasser: 後藤, 仁, 山本, 泰弘, 太田, 千佳子, 白播, 敏一, 樋口, 徹, 大右, 秀夫
Format: Artikel
Sprache:eng ; jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:1988~90年に日高地区で採取した305例の馬血清について, 馬インフルエンザウイルスの A/equine/Newmarket/1/77 (H7N7), A/equine/Tokyo/2/71/ (H3N8), A/equine/Kentucky/ 1/81 (H3N8)に対する抗体を測定した. ワクチン接種前の2歳馬血清45例のほとんどは3ウイルス株に対するHI抗体が陰性であったが, 接種後の血清51例の37~88%が陽性であった. また, この51例を含む年齢の確認できた2~23歳馬からの血清166例では, 2歳馬において3ウイルス株に対するHI抗体価, 陽性率ともに最も高い値を示したが, 年齢とともにその値は低下した. とくに9歳以上の60例では, 最近の諸外国における流行ウイルスと抗原的に類似するKentucky株に対してほぼ全例が陰性を示し, 海外からの本病の侵入に対し危険な免疫状態であった. A型ウイルスの可溶性抗原に対するCF抗体は, ウイルス感染馬でのみ検出され, ワクチン接種馬ではすべて陰性であった. すなわち, CF抗体の検出は, HI抗体陽性馬においても最近のウイルス感染を知ることができ, ヒトのインフルエンザにおけると同様に, 極めて有用な血清診断法であることを示した.
ISSN:0916-7250
1347-7439
DOI:10.1292/jvms.55.33