ウサギ胚盤胞由来多能性細胞株の樹立

日本白色種あるいはダッチ種ウサギの胚盤胞から機械的に分離した内細胞塊をマウスあるいはウサギ胎仔線維芽細胞のフィーダー上で培養したところ,培養開始から1週間前後で未分化細胞様コロニーが出現した.これらを継代培養したところ,マウス胚性幹細胞に類似した細胞境界の不明瞭な島状のコロニーを形成する細胞株がそれぞれの品種から2株ずつ,計4株(M4, R1, DMR2, DMR3)得られ,このうちR1株を除く3株がマウスフィーダーを用いた培養系で樹立された. 核型分析の結果,これらの細胞株は高率に正二倍体の染色体を維持しており,さらに浮遊培養下で胚様体を形成し,接着培養下で多様な分化像を示したことから,ni...

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Veröffentlicht in:Journal of Reproduction and Development 1993, Vol.39(6), pp.j43-j48
Hauptverfasser: 林, 司, 岡崎, 正幸, 古沢, 軌, 須藤, 忠
Format: Artikel
Sprache:eng ; jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:日本白色種あるいはダッチ種ウサギの胚盤胞から機械的に分離した内細胞塊をマウスあるいはウサギ胎仔線維芽細胞のフィーダー上で培養したところ,培養開始から1週間前後で未分化細胞様コロニーが出現した.これらを継代培養したところ,マウス胚性幹細胞に類似した細胞境界の不明瞭な島状のコロニーを形成する細胞株がそれぞれの品種から2株ずつ,計4株(M4, R1, DMR2, DMR3)得られ,このうちR1株を除く3株がマウスフィーダーを用いた培養系で樹立された. 核型分析の結果,これらの細胞株は高率に正二倍体の染色体を維持しており,さらに浮遊培養下で胚様体を形成し,接着培養下で多様な分化像を示したことから,ni vitroにおいて多分化能を有することが明らかとなった.またマウスにおける未分化細胞の組織化学的指標とされるアルカリフォスファターゼ活性も陽性であったが,長期継代培養に伴い活性が低下し,未分化状態が失われつつあることが示唆された.
ISSN:0916-8818
1348-4400
DOI:10.1262/jrd.39.6_j43