新たに開発したバルーン式子宮頸管拡張器の牛胚回収時における有用性

安全で操作の容易な牛用子宮頸管拡張器を開発した.構造は,シリコンカテーテルの先端にシリコンラバー製バルーン,後方に空気圧入弁と注射筒を付け,金属製芯棒で補強したものである.頸管拡張操作は,拡張器を外子宮口に挿入し,直腸から指と掌で頸管をほぼ直線に保持する.拡張器の先端を第1ヒダまで進め,バルーンを膨張させ内腔を拡張し,さらにバルーン後部を圧迫してヒダの間隙を充分拡張した後,バルーン内の空気を排出してこの間隙を通過し第2ヒダまで進める.以下この操作を繰返して,内子宮口に達する.本器は,頸管拡張を柔軟なシリコンラバーの接触でおこない,拡張されたヒダ間隙を直線的に通過させるため,金属製拡張棒で可通過...

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Veröffentlicht in:Journal of Reproduction and Development 1993, Vol.39(5), pp.j31-j36
Hauptverfasser: 牛島, 仁, 江藤, 哲男, 秋山, 清, 三宅, 晃次, 加納, 康彦, 尾川, 昭三
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:安全で操作の容易な牛用子宮頸管拡張器を開発した.構造は,シリコンカテーテルの先端にシリコンラバー製バルーン,後方に空気圧入弁と注射筒を付け,金属製芯棒で補強したものである.頸管拡張操作は,拡張器を外子宮口に挿入し,直腸から指と掌で頸管をほぼ直線に保持する.拡張器の先端を第1ヒダまで進め,バルーンを膨張させ内腔を拡張し,さらにバルーン後部を圧迫してヒダの間隙を充分拡張した後,バルーン内の空気を排出してこの間隙を通過し第2ヒダまで進める.以下この操作を繰返して,内子宮口に達する.本器は,頸管拡張を柔軟なシリコンラバーの接触でおこない,拡張されたヒダ間隙を直線的に通過させるため,金属製拡張棒で可通過部位を探る場合に比べて,頸管壁に与える損傷の程度は小さく,操作も単純である. 19頭を供試して頸管拡張を試みたところ,未経産•経産を問わず頸管が正常な12頭では1.5~4分で操作を終り,引き続く採胚の成績も良好であった.頸管が癒着した7頭では,5頭は1~5分で終了したが,2頭は不可能であった.また癒着牛2頭,正常牛1頭に,子宮還流液に少量の血液の混入を認めた.その原因は術者の不注意による子宮体への損傷であると推察される.以上の成績から,本器は,牛胚の採取,移植に有用であると考えられる.
ISSN:0916-8818
1348-4400
DOI:10.1262/jrd.39.5_j31