光沢不眠蚕のエクジステロイド分泌系について
光沢不眠蚕 (nm-g) は血液中の脱皮ホルモン (エクジステロイド) が低濃度状態にあることによって次齢への脱皮ができず, 不眠状態となる突然変異であるが, この不眠蚕のエクジステロイド分泌系について検討を加えた。1) 不眠蚕の脳抽出液にも前胸腺を活性化しうるPTTH活性が存在した。2) 脳抽出物またPTTHの注射では3齢への脱皮は誘導されなかった。3) In vitro において, 不眠蚕の前胸腺のエクジステロイド分泌レベルは正常蚕と比べて著しく低く, PTTHによって活性化もされなかった。4) 前胸腺中のエクジステロイド含量は, 正常蚕と比較して大差なかった。5) 不眠蚕の個体全体のエク...
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Veröffentlicht in: | Nihon sanshigaku zasshi 1992/10/27, Vol.61(5), pp.400-406 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 光沢不眠蚕 (nm-g) は血液中の脱皮ホルモン (エクジステロイド) が低濃度状態にあることによって次齢への脱皮ができず, 不眠状態となる突然変異であるが, この不眠蚕のエクジステロイド分泌系について検討を加えた。1) 不眠蚕の脳抽出液にも前胸腺を活性化しうるPTTH活性が存在した。2) 脳抽出物またPTTHの注射では3齢への脱皮は誘導されなかった。3) In vitro において, 不眠蚕の前胸腺のエクジステロイド分泌レベルは正常蚕と比べて著しく低く, PTTHによって活性化もされなかった。4) 前胸腺中のエクジステロイド含量は, 正常蚕と比較して大差なかった。5) 不眠蚕の個体全体のエクジステロイド量は脱皮後の経過とともに増加したが, 体重当りの量は脱皮後5日間ほぼ一定であった。6) 不眠蚕の血液からは微量の ecdysone と同時に, 20-OH-ecdysone が検出された。以上の結果から, 光沢不眠蚕の主な異常は前胸腺における ecdysone 合成能の低下と考察された。 |
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ISSN: | 0037-2455 1884-796X |
DOI: | 10.11416/kontyushigen1930.61.400 |