アジア稲およびアフリカ稲と祖先野生種における小枝梗の離層の類似性について
アジア稲およびアフリカ稲とそれぞれの祖先野生種, および他の9種の野生稲について, 籾離脱部位の解剖形態的特性を調査し, 栽培稲と祖先野生種, および野生種間における比較検討を行った. その結果, アフリカ稲の祖先野生種(O. barthii)には, 栽培稲(O. glaberrima)におけると同じく「完全離層」を有する系統のほかに「部分離層」を有する系統がみい出されたが, アジア稲の祖先野生種 (O. nivara)と他の9種の野生稲には「部分離層」を有する系統はみい出されなかった. 本実験に供したOryza属12種の野生稲では, O.longistaminataを除いて, 離層組織は完熟...
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Veröffentlicht in: | Japanese journal of crop science 1992/06/05, Vol.61(2), pp.257-263 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | アジア稲およびアフリカ稲とそれぞれの祖先野生種, および他の9種の野生稲について, 籾離脱部位の解剖形態的特性を調査し, 栽培稲と祖先野生種, および野生種間における比較検討を行った. その結果, アフリカ稲の祖先野生種(O. barthii)には, 栽培稲(O. glaberrima)におけると同じく「完全離層」を有する系統のほかに「部分離層」を有する系統がみい出されたが, アジア稲の祖先野生種 (O. nivara)と他の9種の野生稲には「部分離層」を有する系統はみい出されなかった. 本実験に供したOryza属12種の野生稲では, O.longistaminataを除いて, 離層組織は完熟期にはほぼ完全に崩壊していたが, アフリカ稲の祖先野生種では栽培稲と同じく離層組織と中心維管束の間に厚壁組織が発達していて, 完熟期の離層部位における籾と小枝梗の連絡部(supporting zone)はかなり太かった. ところが, アジア稲の祖先野生種やO. longistaminata など11種の野生稲においては離層部位には厚壁組織がほとんどみられず, 完熟期においては籾は中心維管束だけで小枝梗に連結していたため, アフリカ稲の祖先野生種より非常に脱粒性が強かった. なお, 離層組織の形状には蛮曲型, 直線型およびV字型があり, Aゲノム種ではすべて蛮曲型であった. |
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ISSN: | 0011-1848 1349-0990 |
DOI: | 10.1626/jcs.61.257 |