バミューダグラス(Cynodon dactylon PERS.)におけるシバクキハナバエ(Atherigona reversura VILLENEUVE)による被害茎率の系統間差異

この報告は,シバクキハナバエによるバミューダグラスの生育被害の実態及びバミューダグラスにおけるシバクキハナバエによる被害茎率の系統間差異について観察・検討した結果について述べたものである。1.シバクキハナバエ(Atherigona reversura VILLENEUVE)はイエバエ科に属するバミューダグラス(Cynodon dactylon PERS.)に寄生する害虫で,幼虫はバミューダグラスの分げつ芽の生長点を食害する。宮崎地域におけるバミューダグラス(系統:Coastal)の被害茎率は8月の最盛期には70-90%に達する。2.バミューダグラスにおけるシバクキハナバエの被害茎率には系統間に...

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Veröffentlicht in:Nippon Sōchi Gakkaishi 1991/07/31, Vol.37(2), pp.240-245
Hauptverfasser: 池田, 一, 小山田, 正幸, 安藤, 寿男, 金井, 雅彦, 藤井, 和人
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:この報告は,シバクキハナバエによるバミューダグラスの生育被害の実態及びバミューダグラスにおけるシバクキハナバエによる被害茎率の系統間差異について観察・検討した結果について述べたものである。1.シバクキハナバエ(Atherigona reversura VILLENEUVE)はイエバエ科に属するバミューダグラス(Cynodon dactylon PERS.)に寄生する害虫で,幼虫はバミューダグラスの分げつ芽の生長点を食害する。宮崎地域におけるバミューダグラス(系統:Coastal)の被害茎率は8月の最盛期には70-90%に達する。2.バミューダグラスにおけるシバクキハナバエの被害茎率には系統間に明らかな差異が認められた。すなわち,供試6系統の8月における被害茎率は,Coastal, Midland及びTifton44の3系統では70-90%の高い値を示したが,Coastcross-1, Hawaii, Tifton68の3系統では10-30%の低い値を示した。3.バミューダグラスの系統におけるシバクキハナバエによる被害茎率は茎の太さや茎数密度と深い関係があり,茎数密度が低い程,また茎の太さが太い程,被害茎率は小さい傾向が認められた。この茎数密度の高低はバミューダグラスにおける植被内の相対湿度と密接な関係があり,この相対湿度がシバクキハナバエの産卵数やふ化率に関連しているものと考えられる。
ISSN:0447-5933
2188-6555
DOI:10.14941/grass.37.240