生育時期別の倒伏処理がトウモロコシの収量と品質に及ぼす影響

倒伏がトウモロコシの収量と品質に及ぼす影響とその機構を解明するために,絹糸抽出期をはさんで4回,ころび型倒伏(RL)と折損型倒伏(SL)処理を行ない,個体群構造の変化と乾物生産,子実収量との関係,および栄養組成の変化について解析した. 倒伏処理後の植物体は種々の程度に姿勢を回復したが,草高の低下により縮小された狭い群落空間内に葉群が不均一に分布しており,受光態勢の悪化によるNARの低下が認められた. 植物体の姿勢の回復は生育時期が進むほど, またSL処理区の方が悪く,絹糸抽出期15日前のRL処理区を除いて乾物および子実収量の減少が認められた. CGRはNARと高い正の相関関係を示し,倒伏による...

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Veröffentlicht in:Japanese journal of crop science 1991/03/05, Vol.60(1), pp.107-115
Hauptverfasser: 南, 峰夫, 氏原, 暉男
Format: Artikel
Sprache:eng ; jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:倒伏がトウモロコシの収量と品質に及ぼす影響とその機構を解明するために,絹糸抽出期をはさんで4回,ころび型倒伏(RL)と折損型倒伏(SL)処理を行ない,個体群構造の変化と乾物生産,子実収量との関係,および栄養組成の変化について解析した. 倒伏処理後の植物体は種々の程度に姿勢を回復したが,草高の低下により縮小された狭い群落空間内に葉群が不均一に分布しており,受光態勢の悪化によるNARの低下が認められた. 植物体の姿勢の回復は生育時期が進むほど, またSL処理区の方が悪く,絹糸抽出期15日前のRL処理区を除いて乾物および子実収量の減少が認められた. CGRはNARと高い正の相関関係を示し,倒伏による乾物生産量の減少は受光態勢の悪化によるNARの低下に起因していた. 倒伏処理による茎葉から雌穂への同化産物の転流の阻害は認められなかった. 子実収量は絹糸抽出期のSL処理で最低となり,一穂当り粒数と正の相関を示した. 一穂当り粒数の減少はRL, SLともに絹糸抽出期の処理で最大となり,子実収量については絹糸抽出期の倒伏が最も大きく影響すると考えられた. 倒伏処理による栄養成分組成の変化が全処理区でみられ,植物体全体では粗繊維の増加と粗脂肪の減少が認められた.
ISSN:0011-1848
1349-0990
DOI:10.1626/jcs.60.107