細胞質多角体病ウイルス感染カイコの中腸皮膜細胞における炭水化物代謝関連酵素の活性変動
細胞質多角体病ウイルス (CPV) 感染にともなってカイコ中腸組織の炭水化物代謝に与るトレハラーゼ, シュクラーゼ, グリコーゲンホスホリラーゼの酵素活性を, また中腸の低分子ペプチド吸収機能に関わるロイシル-β-ナフチルアミダーゼの活性を調査した。トレハラーゼ活性は感染中期で増加する傾向を示したが, シュクラーゼ活性は感染後期に著しく減少した。ロイシル-β-ナフチルアミダーゼ活性はシュクラーゼと類似した変動型を示した。これとは対照的にグリコーゲンホスホリラーゼa活性は感染後期において上昇した。このホスホリラーゼa活性の変動型と中腸組織のグリコーゲン量の変動型とはよく対応していた。これらの結果...
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Veröffentlicht in: | Nihon sanshigaku zasshi 1990/02/27, Vol.59(1), pp.64-70 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 細胞質多角体病ウイルス (CPV) 感染にともなってカイコ中腸組織の炭水化物代謝に与るトレハラーゼ, シュクラーゼ, グリコーゲンホスホリラーゼの酵素活性を, また中腸の低分子ペプチド吸収機能に関わるロイシル-β-ナフチルアミダーゼの活性を調査した。トレハラーゼ活性は感染中期で増加する傾向を示したが, シュクラーゼ活性は感染後期に著しく減少した。ロイシル-β-ナフチルアミダーゼ活性はシュクラーゼと類似した変動型を示した。これとは対照的にグリコーゲンホスホリラーゼa活性は感染後期において上昇した。このホスホリラーゼa活性の変動型と中腸組織のグリコーゲン量の変動型とはよく対応していた。これらの結果から, 中腸組織はCPV増殖に要するエネルギー源を, 感染中期にはトレハラーゼを介して血糖のトレハロースから, また感染後期にはグリコーゲンホスホリラーゼを介して中腸細胞内のグリコーゲンから得ていることが示唆された。 |
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ISSN: | 0037-2455 1884-796X |
DOI: | 10.11416/kontyushigen1930.59.64 |