ギョウジャニンニクの開花過程および花粉の発芽と貯蔵

ギョウジャニンニク(Allium victorialis L. ssp. pla-typhyllum Hult.)の開花過程と花粉の発芽•貯蔵について調査を行った. 1.ギョウジャニンニクの開花の過程は,ネギやタマネギと同様であることが明らかとなった.すなわち,内花糸の伸長に続いて外花糸が伸長し,やくも内やくの裂開後に外やくが裂開した.また,花柱はやくの裂開後に急激に伸長した. 2.ネギ属植物の花粉は,いずれも中央部に膨らみのある楕円形であるが,ギョウジャニンニクの花粉の偏平度は0.67で,ネギ属植物の中ではほぼ中間であった.また,花粉の大きさは長径46.8μm,短径31.3μmで,他のネギ属...

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Veröffentlicht in:Engei Gakkai zasshi 1992, Vol.60(4), pp.947-953
Hauptverfasser: 金澤, 俊成, 小林, 佐代, 入鍬, 利郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:ギョウジャニンニク(Allium victorialis L. ssp. pla-typhyllum Hult.)の開花過程と花粉の発芽•貯蔵について調査を行った. 1.ギョウジャニンニクの開花の過程は,ネギやタマネギと同様であることが明らかとなった.すなわち,内花糸の伸長に続いて外花糸が伸長し,やくも内やくの裂開後に外やくが裂開した.また,花柱はやくの裂開後に急激に伸長した. 2.ネギ属植物の花粉は,いずれも中央部に膨らみのある楕円形であるが,ギョウジャニンニクの花粉の偏平度は0.67で,ネギ属植物の中ではほぼ中間であった.また,花粉の大きさは長径46.8μm,短径31.3μmで,他のネギ属植物に比べて大きいことが特徴であった. 3.花粉の発芽にはショ糖15%を添加した寒天培地(寒天1%)を用い,20°~25°Cで培養を行うことが適するものと考えられた. 4.花粉は,乾燥条件で-30°Cおよび-196°Cで貯蔵することにより,長期間の貯蔵が可能である.特に液体窒素中(-196°C)で貯蔵した花粉は,1年後においても発芽率は70%以上で,低下しなかった.
ISSN:0013-7626
1880-358X
DOI:10.2503/jjshs.60.947