ミナミキイロアザミウマの生存に及ぼすトマト葉成分の影響

ミナミキイロアザミウマ雌成虫はショ糖水溶液を浸み込ませた濾紙ディスク上で長期間生存できる。このディスクをキュウリあるいはナス葉のメタノール抽出物で処理しても,雌成虫は長期間生存できた。しかし同じディスクをトマト葉のメタノール抽出物で処理してあたえると,雌成虫はすべて数日中に死亡した。このことから,トマト葉には成虫の生存を抑制する化学成分,すなわち摂食阻害物質あるいは有毒成分が存在するものと考えられた。この活性成分はトマト葉のメタノール抽出物を水に分散させ,ブタノールで抽出する操作で部分的に精製できた。部分的に精製した活性成分の生存抑制作用は,提示している間のみ認められる一時的なものであること,...

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Veröffentlicht in:Nihon Ōyō Dōbutsu Konchū Gakkai shi 1991/11/25, Vol.35(4), pp.311-316
Hauptverfasser: 八隅, 慶一郎, 篠原, 寿文, 堀池, 道郎, 平野, 千里
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:ミナミキイロアザミウマ雌成虫はショ糖水溶液を浸み込ませた濾紙ディスク上で長期間生存できる。このディスクをキュウリあるいはナス葉のメタノール抽出物で処理しても,雌成虫は長期間生存できた。しかし同じディスクをトマト葉のメタノール抽出物で処理してあたえると,雌成虫はすべて数日中に死亡した。このことから,トマト葉には成虫の生存を抑制する化学成分,すなわち摂食阻害物質あるいは有毒成分が存在するものと考えられた。この活性成分はトマト葉のメタノール抽出物を水に分散させ,ブタノールで抽出する操作で部分的に精製できた。部分的に精製した活性成分の生存抑制作用は,提示している間のみ認められる一時的なものであること,およびショ糖と活性成分とを別々の濾紙ディスクに処理して提示すると活性が認められないことから,有毒成分ではなく摂食阻害物質であると考えられる。
ISSN:0021-4914
1347-6068
DOI:10.1303/jjaez.35.311