カゼインを基質として分解する能力を持つ牛乳中のシスティンプロテアーゼ及びその活性の乳房炎における増加

牛乳中にカゼインを基質として分解するシスティンプロテアーゼが見つかった. このプロテアーゼは2-メルカプトエタノール等の還元剤によって活性化され, モノヨード酢酸によって阻害された. PMSF, カルシウム, EGTAは活性に影響しなかった. プロテアーゼ活性はタンパク質量と反応時間に依存し, pH 6で最大となった. セファクリルS-200を用いたゲル〓過では, 分子量4.5万と15万以上の少なくとも2種類のシスティンプロテアーゼが検出された. このプロテアーゼ活性は乳房炎乳で増加していた. さらにCMT, 体細胞数, 乳清タンパク質量を示標とした乳房炎の病期と活性は良く相関した. 以上の結...

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Veröffentlicht in:Japanese journal of veterinary science 1990/10/15, Vol.52(5), pp.947-954
Hauptverfasser: 鈴木, 淳一, 加藤, 憲夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:牛乳中にカゼインを基質として分解するシスティンプロテアーゼが見つかった. このプロテアーゼは2-メルカプトエタノール等の還元剤によって活性化され, モノヨード酢酸によって阻害された. PMSF, カルシウム, EGTAは活性に影響しなかった. プロテアーゼ活性はタンパク質量と反応時間に依存し, pH 6で最大となった. セファクリルS-200を用いたゲル〓過では, 分子量4.5万と15万以上の少なくとも2種類のシスティンプロテアーゼが検出された. このプロテアーゼ活性は乳房炎乳で増加していた. さらにCMT, 体細胞数, 乳清タンパク質量を示標とした乳房炎の病期と活性は良く相関した. 以上の結果はシスティンプロテアーゼが乳房炎の病理発生に関与していることを示唆している.
ISSN:0021-5295
1881-1442
DOI:10.1292/jvms1939.52.947