ユズとスダチの実生の茎における14C-酢酸からのノミリンの生合成

カンキツ果実におけるリモノイド系苦味物質を制御する目的で, 14C-酢酸を用いてリモノイドの生合成と代謝をユズ(Citrus junos Sieb. ex Tanaka)とスダチ(Citrus sudachi Hort. ex Shirai)の茎で研究した. 酢酸からのノミリンの生合成はカンキツの新梢よりも実生の茎が明らかに活発であった. また新梢のノミリンの生合成は展葉期よりも葉が十分に展開したときの方が少し活性があった. 茎におけるノミリンの生合成速度は比較的早く, 5.5時間で最大近くになり, 10日間処理では明らかにそれよりも減少することが認められた. 一方, スダチの実生および成熟し...

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Veröffentlicht in:Engei Gakkai zasshi 1990, Vol.59(3), pp.679-683
1. Verfasser: 橋永, 文男
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:カンキツ果実におけるリモノイド系苦味物質を制御する目的で, 14C-酢酸を用いてリモノイドの生合成と代謝をユズ(Citrus junos Sieb. ex Tanaka)とスダチ(Citrus sudachi Hort. ex Shirai)の茎で研究した. 酢酸からのノミリンの生合成はカンキツの新梢よりも実生の茎が明らかに活発であった. また新梢のノミリンの生合成は展葉期よりも葉が十分に展開したときの方が少し活性があった. 茎におけるノミリンの生合成速度は比較的早く, 5.5時間で最大近くになり, 10日間処理では明らかにそれよりも減少することが認められた. 一方, スダチの実生および成熟した茎におけるノミリンの合成速度はユズよりわずかに活発であった. ノミリンは主にデアセチルノミリンに変換され, その代謝速度は実生よりも新梢の方が活発であった. すなわち, ユズとスダチの茎において酢酸からノミリンが合成され, さらにデアセチルノミリン, オバクノンおよびノミリン酸に代謝される経路があることが明らかになった.
ISSN:0013-7626
1880-358X
DOI:10.2503/jjshs.59.679