ネオマイシンリン酸転移酵素(neo)遺伝子を導入した胚性幹細胞(F1/1)のキメラ形成能の検討
本研究は,非129系マウス胚に由来するES細胞(F1/1)がトランスジェニック動物作製に応用可能かを検討する目的で,F1/1細胞にネオマイシンリン酸転移酵素(neo)遺伝子を導入して,得られたネオマイシン耐性ES細胞のキメラ形成能を調べた. 減衰パルス発生装置と矩形パルス発生装置を用いたエレクトロポーション法によってF1/1細胞にneo遺伝子を導入したが,ネオマイシン耐性コロニーの出現頻度に有意差は認められなかった.得られたネオマイシン耐性ES細胞株のゲノムDNAを抽出してサザンプロットハイブリダイゼーションを行った結果,2株はバンドが検出されず,継代培養の過程で欠失したものと考えられた.他の...
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Veröffentlicht in: | Journal of Reproduction and Development 1992, Vol.38(5), pp.j27-j32 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 本研究は,非129系マウス胚に由来するES細胞(F1/1)がトランスジェニック動物作製に応用可能かを検討する目的で,F1/1細胞にネオマイシンリン酸転移酵素(neo)遺伝子を導入して,得られたネオマイシン耐性ES細胞のキメラ形成能を調べた. 減衰パルス発生装置と矩形パルス発生装置を用いたエレクトロポーション法によってF1/1細胞にneo遺伝子を導入したが,ネオマイシン耐性コロニーの出現頻度に有意差は認められなかった.得られたネオマイシン耐性ES細胞株のゲノムDNAを抽出してサザンプロットハイブリダイゼーションを行った結果,2株はバンドが検出されず,継代培養の過程で欠失したものと考えられた.他の4株では,neo遺伝子の挿入が確認された.また,それらの染色体分析を行ったところ,正常核型を示す細胞の割合は4株では元株と同程度の正常性を維持していたが,他の2株は有意に低下した.キメラマウスの作製を行った結果,作製に供した4株はいずれもキメラ形成能を維持していることが判明したが,矩形パルス発生装置を用いたネオマイシン耐性ES細胞の場合,産子生産率が低い傾向が見られた、以上の結果から,F1/1細胞は外来遺伝子の導入操作後もキメラ形成能を維持することが判明し,実際にトランスジェニックマウスの作製に応用可能と考えられた. |
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ISSN: | 0916-8818 1348-4400 |
DOI: | 10.1262/jrd.38.5_j27 |