Bordetella bronchisepticaと Pasteurella multocida由来皮膚壊死毒素のSPF豚に対する臨床学的及び病理学的影響

Bordetella bronchiseptica および Pasteurella multocidaの皮膚壊死毒素(DNT)をセファクリルS-200ゲルクロマトグラフィーにより精製し, 該物質の豚萎縮性鼻炎の病因としての役割について, 細菌学的および病理学的に解析した. 2週齢のSPF豚には30μgのDNTを2日間隔で3回, 7週齢の豚には15μgのDNTを週2回5週間接種した. 2~3週齢の豚については, B. bronchiseptica および P. multocida由来のDNTともに鼻甲介骨部に同程度の病変が認められ, 線毛の破壊, 上皮化生, 骨芽細胞の増殖, 退行性変化および瀰...

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Veröffentlicht in:Japanese journal of veterinary science 1990/08/15, Vol.52(4), pp.677-688
Hauptverfasser: B, Elias, G., Boros, M., Albert, S., Tuboly, P., Gergely, L., Papp, I., Barna Vetro, P., Rafai, E., Molnar
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:Bordetella bronchiseptica および Pasteurella multocidaの皮膚壊死毒素(DNT)をセファクリルS-200ゲルクロマトグラフィーにより精製し, 該物質の豚萎縮性鼻炎の病因としての役割について, 細菌学的および病理学的に解析した. 2週齢のSPF豚には30μgのDNTを2日間隔で3回, 7週齢の豚には15μgのDNTを週2回5週間接種した. 2~3週齢の豚については, B. bronchiseptica および P. multocida由来のDNTともに鼻甲介骨部に同程度の病変が認められ, 線毛の破壊, 上皮化生, 骨芽細胞の増殖, 退行性変化および瀰漫性の骨細胞性骨融解などが認められた. 7~12週齢の豚においては B. bronciseptica由来のDNTでは, 鼻甲介骨部に進行性病変は認められなかった. 病理組織学的病変としては、骨芽系細胞の増殖にともなう類骨形成, および微弱な骨細胞性骨融解が認められた. さらに, 胃, 肝, 腎, およびリンパ節に重度の肉眼病変が認められた. DNT処理中おとび中毒症状発現期間中において, 豚の食欲減退, 体重の減少が認められた. 7~12週齢の豚を P. multocida由来のDNTで処理した場合, 進行性の萎縮性鼻炎が観察された. 組織学的には瀰漫性の骨細胞性骨融解が鼻甲介骨部に観察された. 臨床症状ならびに内臓における病理学的病変は認められなかった. 以上の所見により, B. bronchiseptica由来DNTは P. multocida由来のものとはいくつかの共通点もあるが, その生物活性において基本的に異なっていることが示唆された.
ISSN:0021-5295
1881-1442
DOI:10.1292/jvms1939.52.677