殺菌剤トリフルミゾールのキュウリにおける吸収, 移行および代謝

イミダゾール系殺菌剤, トリフルミゾール (トリフミン®) のフェニール14C標識体をキュウリの葉および果実に処理し, 吸収, 移行および代謝について検討した. トリフルミゾールは処理葉から果実を含む無処理部位へのシンプラスト移行はほとんどなく, 約4日の半減期で減少した. 処理葉中ではアポプラスト移行を示し, キュウリうどんこ病を防除するのに必要な濃度に達していることがオートラジオグラフィーと生物試験の結果から明らかになった. 果実処理の場合, 果皮および果肉中への14C吸収, 移行が大きいため, 14Cの消失は葉面処理の場合に比較し遅くなった. トリフルミゾールの半減期も6日に伸びたが,...

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Veröffentlicht in:Journal of Pesticide Science 1990/08/20, Vol.15(3), pp.375-383
Hauptverfasser: 橋本, 恭明, 杉本, 茂二, 添田, 吉則, 佐野, 慎亮, 中田, 昭, 橋本, 章
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:イミダゾール系殺菌剤, トリフルミゾール (トリフミン®) のフェニール14C標識体をキュウリの葉および果実に処理し, 吸収, 移行および代謝について検討した. トリフルミゾールは処理葉から果実を含む無処理部位へのシンプラスト移行はほとんどなく, 約4日の半減期で減少した. 処理葉中ではアポプラスト移行を示し, キュウリうどんこ病を防除するのに必要な濃度に達していることがオートラジオグラフィーと生物試験の結果から明らかになった. 果実処理の場合, 果皮および果肉中への14C吸収, 移行が大きいため, 14Cの消失は葉面処理の場合に比較し遅くなった. トリフルミゾールの半減期も6日に伸びたが, 14日後の果実における残留14C濃度はトリフルミゾール換算で0.12ppmにすぎなかった. トリフルミゾールの葉および果実における主要代謝経路はイミダゾール環の開裂によるN-ホルミル体生成を経て, 主要代謝物アミノ体となり, さらにエーテル結合部位での脱プロピル体に到るものであった.
ISSN:1348-589X
0385-1559
1349-0923
DOI:10.1584/jpestics.15.375