ウンシュウミカン果実の砂じょう突起の微細構造

ウンシュウミカン果実の砂じょう中への溶質の転流経路を検討するために, 開花期と開花19日目の砂じょうの突起細胞の微細構造を, 光学顕微鏡並びに透過型電子顕微鏡を使って観察した. 砂じょうの細胞壁にみられる原形質連絡は, 開花19日目にその分布密度が明らかに増加した. この間, 原形質膜の細胞質中への陥入や, その小胞の複合体がトノプラスト膜を通して液胞中に侵入しているのが観察された. この現象は, 砂じょうの基部側でより多く観察された. すなわち, 砂じょう細胞においても原形質膜由来の構造体 (plasmalemmasomes)の形成が観察された. このような砂じょう細胞の構造から, 砂じょう...

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Veröffentlicht in:Engei Gakkai zasshi 1990, Vol.59(1), pp.35-41
1. Verfasser: 新居, 直祐
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:ウンシュウミカン果実の砂じょう中への溶質の転流経路を検討するために, 開花期と開花19日目の砂じょうの突起細胞の微細構造を, 光学顕微鏡並びに透過型電子顕微鏡を使って観察した. 砂じょうの細胞壁にみられる原形質連絡は, 開花19日目にその分布密度が明らかに増加した. この間, 原形質膜の細胞質中への陥入や, その小胞の複合体がトノプラスト膜を通して液胞中に侵入しているのが観察された. この現象は, 砂じょうの基部側でより多く観察された. すなわち, 砂じょう細胞においても原形質膜由来の構造体 (plasmalemmasomes)の形成が観察された. このような砂じょう細胞の構造から, 砂じょう中への溶質の転流は, 原形質膜から形成される小胞の液胞中への侵入系と原形質連絡を経由する系の二つの経路による可能性が示唆される.
ISSN:0013-7626
1880-358X
DOI:10.2503/jjshs.59.35