酵素処理によるビートファイバーの水中沈定体積変化とアマランス毒性阻止能との関係

ビートファイバー(BDF)の粒度の違い,構成繊維画分の違い,酵素(プロテアーゼ+リパーゼ)処理の有無によって,アマランス(Am)毒性阻止効果がどう変わるかをラットの成長で比較した.また,各試料の酵素処理に伴う水中沈定体積(SV)の変化,ならびに成長回復率との関連性についても検討した. (1) 酵素処理によるSVの変化はDFの種類により大きく異なり,DFの構成成分の違いがこの現象に関与していることが示唆された. (2) Am投与とDFの同時添加時の成長回復率は,酵素処理前のSV値よりも,処理後のそれと高い相関を示した. (3) 粒度分布が32~60mesh, 80~100mesh, 150~25...

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Veröffentlicht in:Nippon nōgei kagakukaishi 1992/04/01, Vol.66(4), pp.719-726
Hauptverfasser: 有塚, 勉, 武田, 秀敏, 桐山, 修八
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:ビートファイバー(BDF)の粒度の違い,構成繊維画分の違い,酵素(プロテアーゼ+リパーゼ)処理の有無によって,アマランス(Am)毒性阻止効果がどう変わるかをラットの成長で比較した.また,各試料の酵素処理に伴う水中沈定体積(SV)の変化,ならびに成長回復率との関連性についても検討した. (1) 酵素処理によるSVの変化はDFの種類により大きく異なり,DFの構成成分の違いがこの現象に関与していることが示唆された. (2) Am投与とDFの同時添加時の成長回復率は,酵素処理前のSV値よりも,処理後のそれと高い相関を示した. (3) 粒度分布が32~60mesh, 80~100mesh, 150~250meshの3種BDFでは,酵素処理の有無にかかわらず,粒径の大きい試料ほどSV値が高く,Am毒性阻止効果も粒径の大きい試料ほど強いことを確認した. 以上の結果より,DFは摂取後,消化管腔内で酵素作用を受け,物性(SV)が変わる可能性があること,そしてAm毒性阻止効果との関連では,酵素作用を受けた後のSV値のほうが,より密接な関係があることが示された.
ISSN:0002-1407
1883-6844
DOI:10.1271/nogeikagaku1924.66.719