ハウス栽培におけるニホンナシ‘幸水’の果実発育と樹体生理について

ハウス栽培におけるニホンナシ‘幸水’の果実発育と樹体生理を明らかにするため, 簡易なビニール被覆栽培の成木を用いて研究を行った. 1. 被覆期間中の日最高気温は2~6°C, 地温は1~2°C露地区より高く推移し, そのためほう芽期, 開花期及び展葉期が約10日早まった. それに伴い果実の肥大及び成熟もハウス区は露地区より先行し, 収穫開始日はハウス区で8月4日, 露地区で8月17日であった. 2. 収穫果実はハウス区の方が露地区より大きく, ハウス+80%着果量+GA区が最大であったが, ハウス区では果形指数が大きく腰高傾向が認められた. また, ハウス区と露地区との間には果実の糖代謝, 特に...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Engei Gakkai zasshi 1989, Vol.58(3), pp.499-506
Hauptverfasser: 内野, 浩二, 弦間, 洋, 福島, 正幸, 大垣, 智昭
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:ハウス栽培におけるニホンナシ‘幸水’の果実発育と樹体生理を明らかにするため, 簡易なビニール被覆栽培の成木を用いて研究を行った. 1. 被覆期間中の日最高気温は2~6°C, 地温は1~2°C露地区より高く推移し, そのためほう芽期, 開花期及び展葉期が約10日早まった. それに伴い果実の肥大及び成熟もハウス区は露地区より先行し, 収穫開始日はハウス区で8月4日, 露地区で8月17日であった. 2. 収穫果実はハウス区の方が露地区より大きく, ハウス+80%着果量+GA区が最大であったが, ハウス区では果形指数が大きく腰高傾向が認められた. また, ハウス区と露地区との間には果実の糖代謝, 特にソルビートル及びブドウ糖の代謝に相違が認められた. 3. 被覆樹は被覆期間中の高温と遮光の影響を受け, 露地樹に比べ葉が15%大きく, かつ薄くなる陰葉化現象が顕著であり, さらに新梢長は被覆樹が露地樹と比べ22%も長かった. LAIほはハウヌ区が2.53, 露地区が2.03であった. 9月26日における枝梢内の全炭水化物含量はハウス区の方が露地区より少なかった. 根の呼吸活性の季節的変化は両区共に類似していたが, 夏期はハウス区で高く, 秋期には逆転した.
ISSN:0013-7626
1880-358X
DOI:10.2503/jjshs.58.499