乾燥砂面からの蒸発速度を推定する簡易な方法

著者らの乾砂層の非等温定常モデルによれば, 乾砂層内の水蒸気上昇フラックス, すなわち乾燥砂面からの蒸発速度は, 勾配が極めて急でない限り, 層内の地温勾配の影響をほとんど受けない。 この点を確かめるために簡単な室内実験を行った。砂丘地表層内の地温勾配は, 夏の晴天日には5Kcm-1を超えることもあるが, 本実験で得られた最大値は約3Kcm-1であった。しかし, 少なくとも本実験条件の下では, 上記モデルの予測を確かめることができた。 砂の乾燥は恒率乾燥と減率乾燥の2段階に分けることができ, これらは乾砂層形成前後にほぼ対応する。砂丘地では, 降雨・かんがい直後を除けば, 減率乾燥が支配的であ...

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Veröffentlicht in:Nōgyō kishō 1989/03/10, Vol.44(4), pp.269-274
Hauptverfasser: 小林, 哲夫, 松田, 昭美, 神近, 牧男
Format: Artikel
Sprache:eng ; jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:著者らの乾砂層の非等温定常モデルによれば, 乾砂層内の水蒸気上昇フラックス, すなわち乾燥砂面からの蒸発速度は, 勾配が極めて急でない限り, 層内の地温勾配の影響をほとんど受けない。 この点を確かめるために簡単な室内実験を行った。砂丘地表層内の地温勾配は, 夏の晴天日には5Kcm-1を超えることもあるが, 本実験で得られた最大値は約3Kcm-1であった。しかし, 少なくとも本実験条件の下では, 上記モデルの予測を確かめることができた。 砂の乾燥は恒率乾燥と減率乾燥の2段階に分けることができ, これらは乾砂層形成前後にほぼ対応する。砂丘地では, 降雨・かんがい直後を除けば, 減率乾燥が支配的であるから, 地表面の温度と含水量および乾砂層厚から蒸発速度を推定することができる本法は, 砂丘地の水収支を明らかにする上で有用と考えられる。
ISSN:0021-8588
1881-0136
DOI:10.2480/agrmet.44.269