着床早期における豚子宮内膜の走査電子顕微鏡的観察

着床早期における豚子宮内膜の経日的変化について光顕および走査電顕で観察し,胚の付着~密着,胚の着床時における子宮内膜上皮の細胞表面微細構造の変化を走査電顕により明らかにした。 交配後7日(胚の移送時期),子宮内膜のヒダ表面に見られた上皮細胞の多列性形成は盛り上がった波状形態を示し,島状の構造として観察された。 交配後11日(胚が糸状に伸長する時期),内膜上皮は,島状の形態が消失して平坦となり,その上皮細胞表面に微絨毛がジユウタン状に密生していた。 交配後13~14日(胚が子宮内膜に付着~密着する時期),子宮内膜上皮細胞表面はドーム状に隆起する著明な反応を示し,その表面の微絨毛は太く,短くなり,...

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Veröffentlicht in:Kachiku hanshokugaku zasshi (Tōkyō. 1977) 1988, Vol.34(3), pp.182-190
Hauptverfasser: 横木, 勇逸, 岩村, 祥吉, 井上, 忠恕, 松本, 尚武
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:着床早期における豚子宮内膜の経日的変化について光顕および走査電顕で観察し,胚の付着~密着,胚の着床時における子宮内膜上皮の細胞表面微細構造の変化を走査電顕により明らかにした。 交配後7日(胚の移送時期),子宮内膜のヒダ表面に見られた上皮細胞の多列性形成は盛り上がった波状形態を示し,島状の構造として観察された。 交配後11日(胚が糸状に伸長する時期),内膜上皮は,島状の形態が消失して平坦となり,その上皮細胞表面に微絨毛がジユウタン状に密生していた。 交配後13~14日(胚が子宮内膜に付着~密着する時期),子宮内膜上皮細胞表面はドーム状に隆起する著明な反応を示し,その表面の微絨毛は太く,短くなり,また,数も減少していた。 交配後17~18日(胚が子宮内膜に着床を開始する時期),光顕で観察された内膜上皮表面の突出は走査電顕像では内腔に著しく突出したバルーン状の形態を示し,その表面の微絨毛はほとんど消失していた。一方,胚側の着床部位では絨毛膜表面に微絨毛が伸長密生し,バルーン状に突出した内膜上皮細胞を包むようにして細胞間隙に入り込んでいた。 交配後22~23日(胚の着床時期),絨毛膜側の微絨毛に包まれた着床部位の内膜上皮細胞は一段と大きくなり,その隆起表面には再び短い微絨毛の再生がみられた。
ISSN:0385-9932
DOI:10.1262/jrd1977.34.182