イヌ精巣上体管の部位的差異に関する形態学的研究

イヌ精巣上体管を,組織学的および微細構造的観察に基づき,4部位(近位側より順にI~IV部とする)に区分し,各部の形態学的特徴を明らかにした。 1) I部は精巣輸出管とともに精巣上体頭の大部分を占め,最も高い上皮と最も長い不動毛を有し,管腔内に精子がほとんど見られなかった。主細胞はきわめてよく発達したゴルジ装置および粗面小胞体を有していた。 2) II部は精巣上体頭と体の境界付近の背側を占め,管腔内に精子を持つ管と持たない管が混在した。主細胞は著しく多数の空胞を持っのが特徴で,空胞は綿状物質を含んでいた。 3) III部は精巣上体体を占め,管腔内に常に精子が存在した。主細胞は細胞全域に多数のライ...

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Veröffentlicht in:Kachiku hanshokugaku zasshi (Tōkyō. 1977) 1987/06/26, Vol.33(2), pp.88-95
Hauptverfasser: 木曾, 康郎, 畑, 幸美, 山内, 昭二
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:イヌ精巣上体管を,組織学的および微細構造的観察に基づき,4部位(近位側より順にI~IV部とする)に区分し,各部の形態学的特徴を明らかにした。 1) I部は精巣輸出管とともに精巣上体頭の大部分を占め,最も高い上皮と最も長い不動毛を有し,管腔内に精子がほとんど見られなかった。主細胞はきわめてよく発達したゴルジ装置および粗面小胞体を有していた。 2) II部は精巣上体頭と体の境界付近の背側を占め,管腔内に精子を持つ管と持たない管が混在した。主細胞は著しく多数の空胞を持っのが特徴で,空胞は綿状物質を含んでいた。 3) III部は精巣上体体を占め,管腔内に常に精子が存在した。主細胞は細胞全域に多数のライソゾームを含んでおり,時々精子の断片および核下部に巨大な空胞を持つことがあった。 4) IV部は精巣上体尾を占め,最も広い管腔および最も低い上皮を有し,管腔内に精子が密に貯留した。主細胞は核周囲部に多数のライソゾームを有していた。
ISSN:0385-9932
DOI:10.1262/jrd1977.33.88